【What's New!】週刊読書人4月15日号

【特集】
安田菜津紀インタビュー
<豊かな社会のルーツとは何か>
『あなたのルーツを教えて下さい』(左右社)(1)(2)

■鼎談=阿部宏・出原健一・石田雄樹
『語りと主観性』(ひつじ書房)刊行記念(8)

【今週の読物】
◇連載=「映画に生命を与える動き」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉武者小路実篤著『友情』(貝沼晃太朗)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)
◇連載=戯史 平成紀〈四月〉(安倍夜郎)(7)

【今週の書評】
〈3面〉
▽野矢茂樹著『ウィトゲンシュタイン『哲学探究』という戦い』(山田圭一)
▽鈴木創士編『連合赤軍』(小杉亮子)
▽小川正廣著『ホメロスの逆襲』(河島思朗)

〈4面〉
▽大嶋えり子著『旧植民地を記憶する』(小山田紀子)
▽石原大史著『原発事故 最悪のシナリオ』(西尾 漠)
▽三浦勲著『データベースサービス業の誕生と展開』(植村八潮)

〈5面〉
▽朝井まかて著『ボタニカ』(八木寧子)
▽千葉一幹・西川貴子・松田浩・中丸貴史編著『日本文学の見取り図』(中村邦生)
▽芦原伸著『旅は終わらない』(岳 真也)

〈6面〉
▽三嶋輝夫著『ソクラテスと若者たち』(森 一郎)
▽デイヴィッド・ホックニー/マーティン・ゲイフォード著『春はまた巡る』(宮下規久朗)
▽福島武山著『赤の極み』(川合加容子)

 

巻頭特集は
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安田菜津紀インタビュー
<豊かな社会のルーツとは何か>
『あなたのルーツを教えて下さい』(左右社)

【本紙イントロより】
 フォトジャーナリストの安田菜津紀氏が、様々なルーツの人々と対話をし、十五人の歩みを綴ったルポを刊行した。『あなたのルーツを教えて下さい』(左右社)のタイトル通り、それぞれの方々のアイデンティティやこれまでの歩みと向き合う中に、他人事にはできない日本社会の根深い問題が浮かび上がってくる。昨年三月に名古屋入管内で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの事件をはじめ、外国にルーツを持つ人々の置かれている現実を知り、考えるきっかけをもらえる一冊である。同時に、それぞれの人の営みと言葉に力をもらえる本でもある。安田氏にお話を伺った。(編集部)
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 テレビなどでもおなじみの安田菜津紀さんが読書人初登場です。
 安田さんのルポを<日本に暮らす外国人の声>というようなコピーでまとめられてしまうかもしれません。しかしそれはあまりにも今の日本が抱えている問題に対して解像度が低い認識だと言わざるをえないでしょう。冒頭、安田さんが今の問題意識のベースにある現場を次のように語ります。
「この社会には、日本国籍だけれど外国にルーツを持つ人、日本と外国と二つの国籍を持つ人、外国籍だけれど生まれてからずっと日本で育ってきた人……と様々なルーツの方がいて、外国人と日本人との境界線は、実際は非常に曖昧なものなのです。」
 本書で安田さんが取材した人たちの話がインタビュー中語られます。15人全員ではないにしろ、本紙中だけでも多くのルーツを持つ人たちのエピソードがうかがえます。そして、社会の不寛容さによって生まれた軋轢も……。
 本に取り上げられた、ニュースで話題になった、そういう人たちが特別なのではなくて同じ社会で暮らしている人たちであることを再認識できる特集です。

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【関連バックナンバー】
2021年4月23日号
対談=安田峰俊×澤田晃宏
<成長しない日本の労働問題>
『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』『ルポ 技能実習生』をめぐって
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 最新号は主に日本で暮らしてきた人たちの話、安田峰俊さんと澤田晃宏さんの対談はこれから日本に来て仕事をしようとしている人たちの話題で、こちらのほうはどちらかというと構造的な問題だと言えるでしょう。最新号と合わせてお読みいただければ、今日本が抱えている問題がより理解できると思います。

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