【What's New!】週刊読書人6月17日号

【特集】
対談=佐伯 啓思×森 一郎
<戦闘的思想家による「革命」志向の書>
ハンナ・アーレント著『革命論』(みすず書房)新訳刊行を機に

【読物】
◇連載=「断絶とヌーヴェルヴァーグ」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉最果タヒ著『十代に共感する奴はみんな嘘つき』(塩田美晴)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)
◇連載=戯史平成紀〈六月〉(安倍夜郎)(8)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(8)

【書評】
〈3面〉
▽木俣元一著『ゴシック新論』(谷古宇 尚)
▽櫻井正一郎著『ローリーの『シンシア』』(大場建治)
▽マーティン・ハマーズリー著『質的社会調査のジレンマ 上・下』(吉原直樹)

〈4面〉
▽レオス・カラックス他著/フィルムアート社編集部編『レオス・カラックス』(伊藤 聡)
▽トーマス・レイネルセン・ベルグ著『地図の進化史』(宇根 寛)
▽花崎皋平著『生きる場の思想と詩の日々』(先﨑千尋)

〈5面〉
▽津堅信之著『日本アニメ史』(西村智弘)
▽細谷博著『漱石最後の〈笑い〉』(渡邊澄子)
▽堀田三郎訳『ウォレス・スティーヴンズ詩集』(藤野功一)

〈6面〉
▽南彰著『黙殺される教師の「性暴力」』(永田浩三)
▽金子遊著『マクロネシア紀行』(近藤祉秋)
▽カミーユ・クシュネル著『ファミリア・グランデ』(小野菜都美)

 

巻頭特集は

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対談=佐伯 啓思×森 一郎

<戦闘的思想家による「革命」志向の書>

ハンナ・アーレント著『革命論』(みすず書房)新訳刊行を機に

 

【本紙イントロより】

 ドイツ出身の哲学者ハンナ・アーレント(一九〇六ー一九七五)。彼女の主著のひとつ、『革命論』の新訳がみすず書房より上梓された。ドイツ語版を底本に邦訳された本書をめぐり、訳者の森一郎さん(東北大学教授)と、京都大学名誉教授の佐伯啓思さんに対談をお願いした。(編集部)

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 「『革命論』は、アメリカという国に対する毀誉褒貶を超えて、冷静な角度からアメリカなるものの本質を垣間見させてくれる本です。(中略)アメリカの論じ方、アメリカとの付き合い方を、アーレントは示唆してくれています。」

 上記は、森一郎さんによる本対談の締めくくりの一節の抜粋です。あえてこの一文を持ってきましたが、もっとも簡潔に『革命論』を評しているコメントです。

 『革命論』について、冒頭で森さんは「アーレントが英語で書いたテクストもなかなかの難物ですが、ドイツ語版はそれに輪をかけて難解な文章となっています。」と、佐伯啓思さんは「改めて『革命論』は非常に複雑な本だと思いました。」と述べています。哲学・思想の専門家ですらこのように語るほど難解な書を、本編ではふたりが丁寧に紐解いていきます。ハイデガーとアーレントを結びつける森さんならではのアイディアもありますし、アーレントによるフランス革命批判、アメリカの独立をめぐる議論を経て本稿の冒頭の一節に至ります。

 アーレントの眼を通して現在のアメリカをどう見ることができるのか。今読むべき、最新のアーレント論です。ぜひお読みください。

https://jinnet.dokushojin.com/products/3444-2022_06_17_pdf

 

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【関連バックナンバー】

2017106日号

鼎談=川崎修・荻原能久・出岡直也

<アーレントが遺した問いかけ>

『アーレントと二〇世紀の経験』(慶應義塾大学出版会)刊行を機に

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 前回のアーレント特集ですが、アーレントを専門にしていない研究者の方々による意欲的な論集の刊行を機に、著者のお三方に登壇いただきました。アーレント研究の現在地を知ることができます。ぜひ最新号と一緒にお読みください。

https://jinnet.dokushojin.com/products/3209-2017_10_06_pdf

 

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