【2023.9.1】週刊読書人note.

 梨著『

 著者はインターネットを中心に、コミック原作などでも活躍する怪談作家。昨年刊行した初の小説集『かわいそ笑』に続く、2作目となる本書には、「6」つの怪談が収められている。

 第1話「ROOFy」では、両親とともにデパートの屋上遊園地へ遊びに来た少女がおどろおどろしい異界に迷い込む。第2話「FIVE by five」は、峠道に存在する石塔を軸にした怪談が、第3話「FOURierists」では23分45秒の動画と、不気味なFMラジオの関連が綴られる。とある種苗生産のガイドラインである第4話「THREE times three」、幽霊の死体に纏わる第5話「TWOnk」を読み終える頃には、嫌な予感に背筋が震えるかもしれない。
 種類の違う恐怖が描かれた短編集である本作だが、ひとつのテーマのもと書かれた作品集でもある。最終話「ONE」まで読むと、書籍のあちこちに仕掛けられた伏線と、通底するテーマに気が付くはず。真相を知った者は、その恐怖と一生涯付き合っていくことになるのだけれど……。(四六判・240頁・1760円・玄光社)