![[BOOK] 民主主義は不可能なのか?](http://jinnet.dokushojin.com/cdn/shop/products/9784924671393_600_{width}x.jpg?v=1651809491)
『民主主義は不可能なのか? コモンセンスが崩壊した世界で』
著者:宮台真司、苅部直、渡辺靖
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四六判・416ページ
出 版 社:読書人
ISBN13:978-4-924671-39-3
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現代の三賢人が語りつくした「10(平成後期10年間)+1(10年後の未来に向けて)」の全記録――
世界は、社会は、人びとの心はどう変わったのか?
『週刊読書人』に2009年から2018年まで掲載された「年末回顧鼎談」に、〈「あとがき」にかえて〉と題した語りおろし(4万字)を合せて、11本の鼎談を全収録。各ページには、テーマを理解するための手引きとして、詳細な註を付す(作成=綿野恵太)。
二度の政権交代、トランプ政治、大阪維新の会、東日本大震災、脱原発運動、ウィキリークス、イスラム国、格差社会、正義論ブーム、ビッグデータとアグリゲーター、熟議デモクラシー、TPP問題、大学の劣化・学問の危機、吉本隆明の死、慰安婦問題、戦争責任、ヘイトスピーチ、リベラリズムの困難、未来の戦争、戦後象徴天皇制、集団的自衛権、ダイバーシティ、AI統治、ポスト・トゥルース……
現代の社会を読み解くために、必読の書。
目次
■まえがき
■2009
・忘れられたハイエクの議論
・どうすれば品性を絶やさずにいられるか
・超越的なものの導入
・暴力と権力との関係について考える
・沖縄問題は難し
■2010
・正義論ブーム
・道徳への関心
・アメリカ政治の幅
・日本の保守って?
・多数派の専制
・ウィキリークスから公共性を考える
■2011
・震災・原発事故――未規定なリスクとどう向き合うか
・「人間の権利」は歴史的にどう共有されてきたか
・橋下現象の背景にあるもの
・出版界へ提言する
・国家に頼れない時代に
・スティーブ・ジョブズの遺したもの
・明るみに出してはいけない空間の必要性
■2012
・熟議デモクラシーの理論と実践
・アメリカとどう距離を取るか
・TPP問題の核心
・グロテスクな競争
・外交はどうあるべきか
・若手論客たちの活躍
・大学の劣化・学問の危機
・吉本隆明の死
■2013
・知識集団アノニマスが持つ技術
・出鱈目な民主制
・山本太郎園遊会事件
・進化生物論から考える
・ビッグデータとアグリゲーター
・内なる光を
・アメリカの縮小――指針とすべき世界などどこにもない時代へ
■2014
・ISとイスラム諸国、カリフ制
・社会保守とは何か
・慰安婦問題――戦争責任をどうとらえるのか
・情報の非対称性、大衆感情の劣化
・中間層の瓦解――ダメージを受けやすい「地方」
・政治を積極的に支える主体は今いるのか
・価値への合意
・ヘイトスピーチを克服するために
■2015
・世界秩序の根幹が揺らぐ
・地方創生プラン批判
・ポストモダンとスーパーモダンの動きが同時進行
・リベラリズムの困難
・感情の劣化した帰結、社会の底が抜ける2
・人文知の危機――「文学部廃止論」?
・全体を見渡す学問を
・未来の戦争
■2016
・トランプにはじまり、トランプに終わる
・「正義」と「享楽」
・「制度による社会変革」から「技術による社会変革」へ
・「政治=選挙」なのか?
・対話型制度の導入
・戦後の象徴天皇制
・天皇退位に向けて
■2017
・ミクロな感情教育
・ポピュリズムの動向
・コモンセンスの崩壊
・政治家の資質
・分断をどう克服するか
・天皇制の意味
・リベラルの排外主義化
■2018
・政治空間の分極化
・古典に回帰するべき時
・輝ける正義の欺瞞
・AI統治と信用スコア
・フェイクニュース、オルタナティブ・ファクト
・中動態という世界観
・米政治の「日本化」――民主党が消える日
■「あとがき」にかえて
■書名索引
■人名索引
著者プロフィール
宮台真司 =1959年、仙台生まれ。東京大学大学院博士課程修了。博士(社会学)。首都大学東京教授。専門は社会システム論。著書に『民主主義が一度もなかった国・日本』『日本の難点』『14歳からの社会学』『私たちはどこからきて、どこへ行くのか』など。
苅部直 =1965年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程修了。博士(法学)。東京大学教授。専門は日本政治思想史。著書に『光の領国 和辻哲郎』『丸山眞男』『「維新革命」への道』『日本思想史への道案内』『日本思想史への名著30』など。
渡辺靖 =1967年、札幌生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了。Ph.D(社会人類学)。慶應義塾大学SFC教授。専門はアメリカ研究、文化政策論。著書に『アフター・アメリカ』『文化と外交』『沈まぬアメリカ』『リバタリアニズム』など。