[BOOK]1.5℃の気候危機(知の新書G03)

[BOOK]1.5℃の気候危機(知の新書G03)

通常価格
¥1,430
販売価格
¥1,430
通常価格
売り切れ
単価
あたり 
税込

『1.5℃の気候危機』

著者:松下和夫

===================
新書判・192ページ
出版社(発売):読書人
ISBN13:978-4-924671-72-0
====================

大丈夫か日本の気候対策?!世界に遅れをとっている日本の気候対策のガラパゴス化を世界の動きから検証し、脱炭素の指針を明示する。

大丈夫か! ガラパゴス化の日本気候政策?!
「1.5°C の約束」キャンペーンが、NHK・民放で開始されました。国際世界の会議で何が決まり、いかなる動きになっているのか。日本議会、省庁に助言する著者の気候危機対策への指針。脱炭素、ネットゼロへ企業や個々人はどう取り組んだならよいのか。SDGs をいかに進めていくべきか。ウクライナ戦争がもたらす気候危機。また日本の地域での取り組み。自然災害がます中で、時局に応じた気候変動への問題を明らかにする。今考えるべきこと!
かつて世界市場の過半を占めた日本の太陽光パネルメーカーのシェアは大幅に低下し、拡大する電気自動車の世界市場では上位 10 社に日本メーカーの姿はありません。電力供給に占める再生可能エネルギーの割合は 20%あまりにとどまり、石炭火力への依存が続いています。脱炭素・脱化石燃料に向けた必要な改革と投資が遅れています。日本の脱炭素に向けた構造改革は滞り、気候変動対策の野心的目標や、再生可能エネルギー拡大のための制度改革や送電網整備は遅れています。二酸化炭素排出に価格をつけるカーボンプライシング(炭素の価格付け)の導入も先送りされています。今や日本の気候・産業政策は世界の周回遅れで、ガラパゴス的状況です。本書は、世界各国の動きや地域からの取り組みを視野に入れて、脱炭素で豊かな経済への移行の課題を考察しています。日本の気候政策のガラパゴス化からの脱却を考える一助となれば幸いです。

◆目次
1 はじめに 日本の気候変動政策への違和感 ガラパゴス化する日本の気候・産業政策
2 サステナビリティとSDGs を考える
  【コラム1】グリーン・リカバリー(緑の復興)とは
3 戦争と気候危機 ロシアのウクライナ侵攻で懸念される環境・気候破壊
  【コラム2】地球を世界遺産に
4 資本主義をやめないと、気候危機は止まらないのか?
5 イギリスでのCOP26 の結果が示すもの
  【コラム3】「EUタクソノミー」が意味するもの
6 ドイツのG7 サミットから 日本政府は「気候クラブ」にどう関与するか
7 アンモニアと水素は脱炭素社会の切り札になるか?
  【コラム4】世界のEV(電気自動車)化に立ち遅れる日本の自動車業界
  【コラム5】浮体式洋上風力への期待
8 地域からの脱炭素化への取り組み
  【コラム6】金毘羅さんの気候変動対策
9 2050 年ネットゼロ社会移行の課題 主としてガバナンスの観点から
  【コラム 7】「ストックホルムから五十年、リオから三十年」
10 コロナ後及びカーボンニュートラルに向けての新しいエネルギー政策
(参議院資源エネルギー調査会での参考人として意見陳述、二〇二一年四月二一日)
11 おわりに 「わたし」の気候危機
 

◆著者プロフィール
松下和夫(マツシタカズオ)
1948 年生まれ。京都大学名誉教授、(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)シニアフェロー、国際アジア共同体学会理事長、日本GNH 学会会長。東京大学卒業後環境庁(現環境省)に入庁。米国ジョンズホプキンス大学大学院修了。環境省、OECD 環境局、国連地球サミット上級環境計画官、京都大学大学院地球環境学堂教授(地球環境政策論)など歴任。
主要著書に、『気候危機とコロナ禍』( 知の新書 003)、『環境政策学のすすめ』(丸善、2007)『環境学入門 12: 環境ガバナンス』(岩波書店、2002)『環境政治入門』(平凡社新書、2000)、編著『環境ガバナンス論』(京都大学学術出版会、2007)