[BOOK]成長から成熟へ(知の新書J03)

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『成長から成熟へ』

著者:駄田井 正

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新書判・208ページ
出版社(発売):読書人
ISBN13:978-4-924671-73-7
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人口や物的生産の増加なしに質の高い生活を実現するには、富を幸福に変換する能力=文化力を磨くこと。経済成長から社会の成熟へ。

核の脅威、資源の枯渇、気候不順、経済格差の拡大は人間社会の存続を脅かす要因で、SDGs はこれらへの対応を指標化した。その達成には経済の成長から社会の成熟へと考え方の転換が必要となる。人口や物的生産の増加がなくても、人間社会の進化をめざす社会であり、物質文明の高度な段階にあり、平和で人間の特質にそった社会である。その特質は、第1に人は苦労しないで得たものは大事にしない、第2に人は逆境に強いが安楽の境地では弱い、そして第3に人は十人十色で多様である。多様な文化が共存せねばならない。
質の高い生活を実現するには、富を幸福に変換する能力としての文化力を磨くこと。日本の伝統的文化を見直すことが文化力を高めるのに貢献する。家族やコミュニティは、従来のしきたりや制度にとらわれない多様な形態であること。
評判のピケティ『 21世紀の資本』を批判した、反・ピケティ論」を収録!

◆目次
プロローグ人類存亡の危機
地球環境の悪化 経済格差 デジタル社会の危険性 過密過疎化 SDGsと成熟社会
Political Economy Political Economy からEconomics へ

第1章 デニス・ガボールの「成熟社会」
1.成長と成熟
2.デニス・ガボールの「成熟社会」概要
3.人口および物質的成長と生活の質
4.物質文明の高い水準
5.平和
6.人間の性質と両立する世界
7.生物多様性と文化の多様性
8.成熟社会における人格と教育

第2章 多様な生活文化と複数のユートピア
1.生活スタイル画一化の弊害と過密過疎化
2.無銭経済
3.経済レベルと技術の性格
4.経済レベルのパラダイムと具体的イメージ
5.地域間交流と連携

第3章 日本の文化と文化力
1.日本の文化は特色をもつか
2.幸福と幸福の条件
3.幸福度の測定―主観的幸福度から明らかになった幸福の要因
4.文化と文化力
5.日本文化の特質
6.日本文化の文化力

第4章 成熟社会における家族とコミュニティおよび女性の役割
1.共同体(コミュニティ)
2.ケアの転換
3.これからの共同体・コミュニティ
4.日本における共同体
5.成熟社会の家族そして女性の役割

エピローグ 文化資本と文化力
文化経済力 文化力と文化経済力の相乗と相殺 ポスト工業社会の機械化
文化力と文化経済力のバランス
参考文献
Appendix 反・ピケティ論
あとがき
 

◆著者プロフィール
駄田井 正(ダタイ タダシ)
1944年、大阪府堺市生まれ、1970年に久留米大学に赴任、2014年に退職、久留米大学名誉教授。経済学博士。もともとは理論経済学専攻であったが、オーソドックスな経済学に疑問を持ち、文化経済学に転向。その観点から、1999 年に筑後川流域連携倶楽部を立ち上げ、筑後川・矢部川流域を一体的にとらえて、持続可能で質の高い生活の実現を目指してきている。著書に、『文化の時代の経済学入門』(共著)(2011)、『筑後川まるごと博物館』(共著)(2019)などがある。
目下の活動は、筑後川・矢部川流域のもつ自然・文化・歴史・社会的価値を経済的価値に転換することに集中している。筑後川入道九仙防のペンネームでコラムを執筆。著書として『九州独立と日本の創生』(2021)がある。