[BOOK]日本近代詩語(知の新書J04/L01)

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『日本近代詩語』

著者:藤井貞和

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新書判・208ページ
出版社(発売):読書人
ISBN13:978-4-924671-74-4
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日本近代詩の存立根拠に迫り、そのゆくえを<現在>の世界線で考察する、藤井詩学の緊急刊行。<日本>そのものを言葉の根源から論じる。
近代詩研究の創成期に、三好行雄の〈作品論〉と前田愛の〈テクスト論〉とは、私をまっ二つに裂いたと思う。それから三十五年が経つ。石原吉郎が亡くなり、鮎川信夫も世を去り、不安げに読まれ続く、近、現代詩のいっぽうで、新規に書かれる詩の季節は、未来はどこへ。
萩原朔太郎は〈日本の詩〉でなく、日本語で書かれる〈世界の詩〉に狙いを定めて苦闘する。アヴァンギャルド詩を含めて、承継されるべき詩はどこに。朔太郎の「詩の原理」を再考。

さらに、言葉は戦争を防げるか!

第2部:『文法的詩学』をめぐって日本文法の根源を問う、著者藤井貞和と山本哲士の対談を併録。山本が<述語制>言語学を提唱する。日本語の意味語と機能語との差異は、漢字かな交じり文の表記に結晶し、いまや避けて通れない。伝統的な国語学、日本近世の国学、山田孝雄、佐久間鼎、三上章、そして時枝誠記の西欧言語学批判を視野に、差異も含め語り合う。

◆目次
第1部
近代詩と戦後詩
近代詩語のゆくえ
漢字かな交じり文、神経心理学、近代詩
石、「かたち」、至近への遠投
モダニズム 左川ちか全集 いまここで
沖縄という詩の国のほとりに立って
戦争の貌は言葉から眼を反らすか

第2部
「文法的詩学」をめぐって 藤井貞和 × 山本哲士

書後の覚え
人名索引
 

◆著者プロフィール
藤井 貞和(フジイ サダカズ)
1942年(昭和十七年)生まれ。現代詩、古典和歌、物語文学(『落窪』『源氏物語』など)。詩人。疎開後、奈良に言語形成期を過ごし、長じて東京に。1966年、東京大学文学部を卒業。1972年、大学院人文科学研究科国語国文学専門課程博士課程単位取得満期退学。1975年より共立女子短期大学助教授。1979年に東京学芸大学(国語教育学科)助教授。1992年より同大教授。1992年『物語文学成立史』を東京大学に提出して文学博士号を取得。1995年より東京大学教養学部(言語情報科学専攻)教授。2003年、同大を定年退官し、名誉教授となる。退任後は、2004年より立正大学文学部文学科(日本語日本文学専攻コース)教授として教鞭。2013年、同大を定年退官し、同大非常勤講師。2018年、同大非常勤講師を退任。
『国文学の誕生』三元社、『源氏物語論』岩波書店 、『平安物語叙述論』東京大学出版会、『文法的詩学』笠間書院 、『日本文学源流史』青土社 、『日本文法体系』ちくま新書。近作に『物語史の起動』(青土社)、詩集に『よく聞きなさい、すぐにここを出るのです』(思潮社)など。著作、詩集多数。