【What's New!】週刊読書人6月24日号

【特集】
対談=佐伯一麦×中澤雄大
<佐藤泰志が殉じた青春――その無垢と修羅>
中澤雄大著『狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅』(中央公論新社)

【読物】
◇連載=「真に理解されなかったシャブロル」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉A&P・ピーズ著『ブレイン・プログラミング』(栗原咲紀)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(8)


【書評】
〈3面〉
▽妹尾哲志著『冷戦変容期の独米関係と西ドイツ外交』(新谷 卓)
▽馬奈木厳太郎編著『土地規制法で沖縄はどうなる?』(伊高浩昭)
▽大尾侑子著『地下出版のメディア史』(阪本博志)

〈4面〉
▽木村直司著『詩人的科学者ゲーテの遺産』(嶋田洋一郎)
▽マルク・オジェ著『メトロの民族学者』(山田広昭)
▽松本俊彦編『アディクションの地平線』(中根成寿)

〈5面〉
▽佐伯一麦著『Nさんの机で』(小池昌代)
▽東直子著/塩川いづみ画『一緒に生きる』(佐川光晴)
▽有吉玉青著『ルコネサンス』(水口義朗)

〈6面〉
▽吉田文久著『ノー・ルール!』(有元 健)
▽坂井俊樹編著『〈社会的排除〉に向き合う授業』(坂井亮太)
▽CDB著『線上に架ける橋』(三宅香帆)

 

巻頭特集は

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対談=佐伯一麦×中澤雄大

<佐藤泰志が殉じた青春――その無垢と修羅>

中澤雄大著『狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅』(中央公論新社)刊行を機に

2面に『狂伝 佐藤泰志』書評掲載

 

【本紙イントロより】

 『きみの鳥はうたえる』『そこのみにて光輝く』『海炭市叙景』など数々の作品を世に放ち、芥川賞に五回、三島賞に一回ノミネートされるなどその実力を認められながらも、一九九〇年に四十一歳で自死した作家・佐藤泰志の評伝『狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅』が中央公論新社から刊行された。本書は、著者の中澤雄大氏が十一年の歳月をかけ、作家の全作品と膨大な書簡を読み解き、関係者への綿密な取材で作家の実像と佐藤泰志文学に迫った書き下ろし一五〇〇枚の大著。本書の刊行を機に、著者で元全国紙記者の中澤雄大氏と、仙台市在住の作家・佐伯一麦氏に対談をお願いした。併せて、函館シネマアイリス代表・菅原和博氏による書評を掲載する。(編集部)

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 近年では佐藤泰志という名前は映画原作者としてのほうが馴染みあるでしょう。以下に佐藤泰志の略歴を記載します。

●佐藤泰志(さとう・やすし)=一九四九(昭和二四)年四月、北海道函館市生まれ。「きみの鳥はうたえる」「空の青み」「水晶の腕」「黄金の服」「オーバーフェンス」の各作品で五度の芥川賞候補。「そこのみにて光輝く」で第二回三島賞候補。一九九〇(平成二)年十月、自ら命を絶つ。享年四十一歳。

 ではいかなる作家像だったのか、佐伯一麦さんの次の発言がヒントになります。

 「年代ということで言えば、佐藤泰志と村上春樹は同年代ですよね。確かに書かれた世界というものは一見かけ離れてはいるんだけれど、ある種の時代の共通性、特に私小説みたいなものへの向き合い方、アメリカ文学に対する親近感といったところが、下の世代の僕からすると感じられないでもない。」

 評伝の面白さというのは、対象となる人物の面白さもありますが、書き手の膨大な熱量と書き上げるまでに費やした月日と労力の結晶だから、ということもあると思います。その意味でも本対談で中澤雄大さんという稀代の書き手の仕事の魅力が伝わってくると思います。2面の書評も合わせて読んでいただくと『狂伝 佐藤泰志』が今の時代に世に出た意味がわかります。

https://jinnet.dokushojin.com/products/3445-2022_06_24_pdf

 

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【関連バックナンバー】

2022114日号

対談=西村賢太×新庄耕

<なぜ小説を書いているのか>

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 佐藤泰志とは時代も世代も違うふたりの作家の対談ですが、作家とは何か、芥川賞を取る意味とは、といった話は佐藤泰志という作家の生き様を知るうえで参考になると思います。

https://jinnet.dokushojin.com/products/3423-2022_01_14_pdf

 

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