【What's New!】週刊読書人8月19日号

【特集】
金石範インタビュー
<書くために、命が必要だった>
『満月の下の赤い海』(クオン)刊行を機に

■対談=渡辺祐真/スケザネ*小津夜景
『物語のカギ』(笠間書院)刊行記念(8)



【読物】
◇連載=「真の批評的作業の実践」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉ハン・ガン著『少年が来る』(鎌田征憲)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)
◇連載=戯史 平成紀〈八月〉(安倍夜郎)(7)


【書評】
〈3面〉
▽パッハー・アリス著『したいけど、めんどくさい』(斎藤 光)
▽永岑三千輝著『アウシュヴィッツへの道』(芝 健介)
▽丸山文隆著『ハイデッガーの超越論的な思索の研究』(稲田知己)

〈4面〉
▽周東美材著『「未熟さ」の系譜』(南田勝也)
▽白川優子著『紛争地のポートレート』(桃井和馬)
▽湯澤規子著『食べものがたりのすすめ』(川崎安子)

〈5面〉
▽錦仁著『歌合を読む』(廣木一人)
▽四方田犬彦著『さらば、ベイルート』(林 浩平)
▽陣野俊史著『魂の声をあげる』(川瀬 慈)

〈6面〉
▽日本記号学会編『アニメ的人間』(伊集院敬行)
▽日本出版学会編『パブリッシング・スタディーズ』(仲俣暁生)
▽チョ・ナムジュ、他25名共著『いいから、あなたの話をしなよ』(松岡瑛理)

 

巻頭特集は

================================================

金石範インタビュー
<書くために、命が必要だった>
『満月の下の赤い海』(クオン)刊行を機に

【本紙イントロより】

 「鴉の死」『火山島』全七巻、『海の底から、地の底から』ほか、戦後の韓国、済州島をテーマにした小説を半世紀以上の間書き続けてきた、作家の金石範氏が『満月の下の赤い海』(クオン)を上梓した。本書には二〇一七年十月、二〇二〇年七月、二〇二二年五月・六月にそれぞれ発表した「消された孤独」「満月の下の赤い海」「地の疼き」の三作と、岡本厚氏(岩波書店前代表取締役社長)との対談が収載されている。刊行を機に金氏にお話を伺った。(編集部)


================================================
 昨今の韓国文学(及び韓国を題材にした小説)は今の韓国の若者、女性の生きづらさを題材にしたものが多く、微妙な心の揺れ動きや、ナーバスさを描写した作風が主流になっていて本紙でもたびたび取り上げてきました。

 それらと比べると金石範さんの作品世界は一線を画すでしょう。何より血の臭いの濃さがこのインタビューからも垣間見えます。たとえば、「威嚇のために、酒の入っていたコップにガリッガリッと齧り付いて、口元を血だらけにしてみせる」といったインタビュー冒頭の場面解説。読みながら、バイオレンス系の韓国映画を思い起こします。このような直接的な表現、痛み、それが何に起因しているのかがインタビューを通して語られます。

 また、金石範さんは次のような発言もします。

 「文学の本質的な話になると思いますが、言葉は頭から出るのではないんです。文章とは、血管を通し、体を通して生まれてくるものです。」

 金石範さんの人生の重みそのものである作品群と、その作品解説を行った本インタビューで発せられた言葉の力は強烈です。ぜひ、その言葉を味わってみてください。

https://jinnet.dokushojin.com/products/3453-2022_08_19_pdf


********************

9月開催イベント】

9月はイベント、セミナーを多数開催します。会場はすべて弊社オフィスに隣接するイベントスペース「読書人隣り」(東京・神保町)にて。興味のあるイベントがございましたら、ぜひ遊びにいらしてください。
================================================
★編集者のための組版講座(第1回)
日時:97日(水) 19時~21時 講師:前田年昭(組版者)
※オンライン配信有り
https://jinnet.dokushojin.com/products/event-editor-seminar1-20220907

★現代リベラリズム入門講義(第2回)
テーマ:サンデル『リベラリズムと正義の限界』を読む2
日時:910日(土) 18時~ 講師:仲正昌樹
https://jinnet.dokushojin.com/products/event20220910

★「風の谷のナウシカ」から ウクライナ戦争・コロナ禍を考える 「知の新書」公開セミナー
日時:914日(水) 18時~ 講師:山本哲士
来場者特典として、「知の新書」シリーズ新刊『「風の谷のナウシカ」と「モモ」から学ぶ』を進呈
https://jinnet.dokushojin.com/products/event20220914

★トークイベント=中村邦生×小池昌代 「〈移動幻想〉―『幽明譚』『ブラック・ノート抄』のさらに向こうへ」
日時:915日(木) 1830分~ 
※オンライン配信有り
https://jinnet.dokushojin.com/products/event20220915

********************

【ご案内】

定期購読料金価格改定のご案内
このたび、5月に実施した本紙価格改定に伴い、これまで据え置き価格で販売していた定期購読料金を10月1日より、下記のとおり改定いたします。ご購読中のお客様におかれましては、ご理解いただきますようお願い申し上げます。

<紙版>
年間購読:16,000円 →→ 17,600円
半年購読: 8,600円 →→  9,460円
2ヶ月購読:3,630円 →→     4,000円

 

PDF版>
年間購読:15,000円 →→ 16,500円

★9月30日(金)までに、新規・継続購読をお申し込みいただければ現行価格でご案内できますので、お早めのお申し込みがお得です。

https://jinnet.dokushojin.com/collections/%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E8%B3%BC%E8%AA%AD-%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E8%B2%A9%E5%A3%B2