【What's New!】週刊読書人5月5日号

【巻頭特集】
対談=中地義和×塚本昌則
<追悼=菅野昭正 認識と創造>

<巻末>
■黒川創×新田樹
トークイベント「サハリンを撮る/描く」載録

【読物】
◇連載=「映画産業の犠牲者デミル」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉ルース・ベネディクト著『菊と刀』(尾崎純平)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)


【書評】
〈3面〉
▽牧野雅彦著『精読 アレント『人間の条件』』(橋爪大輝)★記事無料公開
▽上村知春著『恵みありて、インジェラに集う』(森枝卓士)
▽森政稔著『アナーキズム』(森 元斎)★記事無料公開

〈4面〉
▽吉川忠夫著『読書漫筆』(中村直登)★記事無料公開
▽井上章一・斎藤光編『ヌードの東アジア』(武田 徹)
▽眞方忠道著『愛と信頼考』(千葉 眞)

〈5面〉
▽姜信子著『語りと祈り』(末次 智)★記事無料公開
▽上野千鶴子著『上野千鶴子がもっと文学を社会学する』(倉橋耕平)
▽鳥居万由実著『「人間ではないもの」とは誰か』(栗原 悠)★記事無料公開

〈6面〉
▽エドワード・ドルニック著『ヒエログリフを解け』(宮川 創)★記事無料公開
▽浦辺登著『明治四年 久留米藩難事件』(武正泰史)
▽安田理央著『日本AV全史』(赤川 学)

※記事の無料公開は4月21日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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対談=中地義和×塚本昌則
<追悼=菅野昭正 認識と創造>

【本紙イントロより】
 三月九日、菅野昭正氏が九三歳で亡くなった。フランス文学者、翻訳者、文芸評論家として、国内外の多くの文学作品を長年に亘り紹介した。また『詩学創造』(芸術選奨文部大臣賞)や『ステファヌ・マラルメ』(読売文学賞)など文学の根源を探究する著作も多数刊行している。フランス文学者の中地義和氏と塚本昌則氏に、菅野氏の仕事やその影響について、お話いただいた。(編集部)
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 今年に入り追悼特集が続きますが、菅野昭正さんの場合は特別な、ある意味読書人らしい内容になりました。というのも、菅野さんと弊紙の付き合いは1959年まで遡ることができます。その後、毎年ではありませんが、折に触れて書評を依頼しているので、1960~2010年代まで索引を引くと必ずお名前が出てきます。半世紀にわたるお付き合いのあった評者は菅野さん以外には見当たりません。

 今回の特集の話題に入る前に、菅野さんが執筆された書評をいくつか紹介します。ロブ=グリエ著『消しゴム』(1959.11.30)、カミュ著『反抗の論理』(1965.10.25)、ル・クレジオ著『愛する大地』(1969.5.5)、辻邦生著『背教者ユリアヌス』(1972.12.11)、小川国夫著『青銅時代』(1974.12.9)、篠田一士著『日本の現代小説』(1980.8.4)など。

 今回の追悼対談にご登場いただいた中地義和さん、塚本昌則さんが冒頭で語った菅野さんとの思い出が印象的です。

 中地「大学院のゼミの後は、経済学部のそばにあった学士会分館でちょっとビールを、という流れでしたよね。酒のツマミはサンドウィッチが定番で(笑)。あまり長居はせず、サッと帰るというきれいな飲み方でした。」
 塚本「授業が三時から六時ぐらいまで、その後ビールを飲んで、二〇時ぐらいにお開きという感じだったでしょうか。」

 その後お二人は、菅野さんのお仕事を丁寧に紐解いていきます。現在の文学研究、文芸批評につながる重要な翻訳、詩篇、評論。批評家として作品に向き合うときの姿勢。菅野昭正という知の巨人を知る手がかりがここにあります。ぜひ、ご一読ください。

[2023年5月5日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3487-2023_05_05_pdf

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★「連続講座「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者ための入門講座」

講師:仲正昌樹
日時:5月13日(土)18時~
村上春樹さん6年ぶりの新作長編『街とその不確かな壁』刊行目前!日本を代表する世界文学作家の現代思想や哲学の視点を考察し、ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。

第4回のテーマは『海辺のカフカ』(新潮文庫)
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230513
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230513_online

※配信は講座開催から1週間後までアーカイブ視聴可能

 

★村上春樹『街とその不確かな壁』を読む会

講師:高澤秀次(文芸評論家)
日時:5月20日(土)14時~17時
村上春樹、6年ぶりの新刊長編小説『街とその不確かな壁』を、その元となった中編小説(「街と、その不確かな壁」1980年発表)と比較検討しつつ、精緻に読み込んでいきます。高澤秀次氏の講義(70分予定)を踏まえて、質疑応答、参加者を交えた議論(110分予定)。

◆中編「街と、その不確かな壁」は、参考資料として当日貸与(会場参加者のみ)

◆読書会終了後には懇親会も実施予定

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event-harukidokusho20230520
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event-harukidokusho20230520_online

※配信は読書会ライブ配信後~から約一ヶ月間アーカイブ視聴可能

 

★『アンソロジスト』から生まれた文章講座(全5回)

講 師:太田靖久(作家)、大槻慎二(『アンソロジスト』編集長)
開催日:6月4日、6月18日、7月2日、7月16日、7月30日(隔週日曜)

雑誌『アンソロジスト』の編集長・大槻慎二と、作家・太田靖久が「アンソロジーの編み方」と「小説の書き方」をイチから教えます!
全五回の講座で、短編小説(エッセイも可)を1篇書き上げ、文豪たちの作品と共に〝あなたの小説〟が収録された、世界で1冊のアンソロジーを作りましょう。

◆全5回の講座の終わりに、〝あなたの小説〟が活字化されたリフィル(6600円相当)と、あなたが編んだアンソロジー1冊(3630円)をお持ち帰りいただけます。


【参加申し込みURL】https://jinnet.dokushojin.com/products/writing_seminar2023

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【ご案内】
定期購読のお申し込みはPDF配信版《通年》がオススメ!
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