【What's New!】週刊読書人11月24日号

【特集】
対談=水野和夫・塚本恭章/吉川洋氏に聞く
<資本主義/経済学は何処へ向かうのか>
『経済学の冒険 ブックレビュー&ガイド100』(読書人)刊行を機に

柿埜真吾インタビュー
『本当に役立つ経済学全史』刊行を機に(8)

【今週の読物】
▽追悼=石崎晴己(澤田直)(7)
◇連載=「ロメールのキャスティング」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉町田そのこ著『52ヘルツのクジラたち』(円谷純子)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)


【今週の書評】
〈3面〉
▽関礼子編『福島からの手紙』/関礼子・原口弥生編『福島原発事故は人びとに何をもたらしたのか』(村田 弘)
▽山口晃著『ある水脈と石川三四郎』(中道寿一)

〈4面〉
▽マウリツィオ・ラッツァラート著『耐え難き現在に革命を!』(北川眞也)
▽大場静枝著『抵抗のブルターニュ』(鶴岡真弓)
▽飯島宗享著『実存思想』(鈴木祐丞)

〈5面〉
▽大塚ひかり著『嫉妬と階級の『源氏物語』』(小谷野敦)
▽田野村忠温著『近代日中新語の諸相』(沈 国威)
▽サイディヤ・ハートマン著『母を失うこと』(田中庸介)

〈6面〉
▽市川哲夫著『証言 TBSドラマ私史』(高鳥 都)
▽森まゆみ著『聞き書き・関東大震災』(山本唯人)
▽岩村暢子著『ぼっちな食卓』(瀬尾知子)

巻頭特集は

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対談=水野和夫・塚本恭章/吉川洋氏に聞く
<資本主義/経済学は何処へ向かうのか>
『経済学の冒険 ブックレビュー&ガイド100』(読書人)刊行を機に

【本紙イントロより】
 本紙年末回顧号に、毎年「経済学回顧」を寄稿している塚本恭章氏(愛知大学専任教員)が、経済学関連の書籍100冊を書評した『経済学の冒険』を上梓した。経済学という学問分野をめぐるブックガイドとしてだけでなく、これまで人類が長く営んでききた「経済学史」を学ぶことができる一冊となっている。刊行を機に、法政大学教授の水野和夫氏と塚本氏に対談をしてもらった。また、東京大学名誉教授の吉川洋氏にお話をうかがった。(編集部)

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 イントロにもあるように『経済学の冒険』は書評本なので、経済学の内容でもありながら、読書論、本の読み方、そして書評とは何か、そういった本にまつわるエッセンスを体験できる一冊です。本書については上武大学教授の田中秀臣さんが『週刊新潮』で書評を寄稿してくれました(現在BookBangで転載)。そこでも「書評とは何か」ということを軸にコンパクトに論じてくださっています。

今回の対談の冒頭も本を読むことについての議論が展開されます。特に古典を読むことのすすめが丁寧に話し合われていますので、経済学的な話題が苦手な人でもすんなり入ってくる内容です。また、塚本さんは経済学の古典の読み方を次のように語ります。

「経済学の古典は膨大なものが多い。そういう分厚い本を前にした時には、内容がわからなくても、とにかくページをめくることが大切だと、伊藤(誠)さんはおっしゃっていた。(中略)最後まで読み通す。それが古典を読む時に最重要な態度であり、ページをめくる勇気みたいなものが必要である。」

ところで、今号では8面も経済学をテーマにしたロングインタビューを掲載しています<柿埜真吾インタビュー『本当に役立つ経済学全史』刊行を機に>。一口に経済学といっても、1・2面の塚本さん、水野さん、吉川さんと8面の柿埜さんでは立場が違い、前者の企画は非主流派的な議論、後者が主流派的な議論になります。1・2面の記事内でたびたび非主流派、主流派といったフレーズが出てきますが、どういったものかピンとこない方は先に8面からお読みいただくと1・2面もスムーズに読めると思います。

はからずも紙上で対立する経済論戦が繰り広げられています。ぜひお楽しみください。

[2023年11月24日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3516-2023_11_24_pdf

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★12月開講

 

バタイユ入門講義(第2回)
テーマ:『呪われた部分・全般経済学試論・蕩尽』第三部・第四部

【講師】
仲正昌樹

日 時:12月9日(土)18時~

いま、再注目のバタイユを、全体を俯瞰しつつ、丁寧に読解。最もまとまった形で表現されているテクストを通じて、その核心に迫る。

文学、芸術、哲学、経済人類学にわたる広範な批評活動を通して、フランス現代思想に強い影響を与え、日本でも栗本慎一郎等が主要な参照項にしていたことが知られているものの、バリエーションに富む独特の叙述スタイルのゆえに、その全体像があまり伝わっていない、バタイユの思想を、彼の思想が最もまとまった形で表現されている『呪われた部分・全般経済学試論』と『エロティシズム』を精読する。キリスト教神学、ヘーゲル、ニーチェと、レヴィ=ストロース、ドゥルーズ等を繋ぐバタイユの位置を明らかにすることを試みる。『内的体験』や『有罪者』『非―知』などのよく知られたテクストでの議論も可能な限り視野に入れながら解説していく。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231209
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231209_online

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■『アンソロジスト』から生まれた文章講座 2024年上期(全5回) 

講 師:太田靖久(作家)、大槻慎二(『アンソロジスト』編集長)
日 程:2024年1月28日、2月11日、2月25日、3月10日、3月24日(隔週日曜)

雑誌『アンソロジスト』の編集長・大槻慎二と、作家・太田靖久が「アンソロジーの編み方」と「小説の書き方」をイチから教えます!
全五回の講座で、短篇小説(エッセイも可)を1篇書き上げ、文豪たちの作品と共に〝あなたの作品〟が収録された、世界で1冊のアンソロジーを作りましょう。

★全5回の講座の終わりに、〝あなたの作品〟が活字化されたリフィル(20冊×330円=6600円相当)と、あなたが編んだアンソロジー1冊(既刊リフィル5冊×330円+ブックジャケット1980円=3630円)をお持ち帰りいただけます。

★さらに優秀作品1作を『アンソロジスト』へ掲載!!

【参加申し込みURL】https://jinnet.dokushojin.com/products/writing_seminar2024_01

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【ご案内】
定期購読のお申し込みはPDF配信版《通年》がオススメ!
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