【What's New!】週刊読書人7月1日号

【特集】
鼎談=安藤 宏×大原 祐治×十重田 裕一
<〈偉大なる落伍者〉安吾に迫る網羅的大事典>
『坂口安吾大事典』(勉誠出版)刊行を機に(1)(2)

■<学んだことを人、社会に役立てるための読書を>
対談=小池一夫(桜美林学園理事長)×森本昌憲(藤田観光元会長)(8)

【読物】
▽著者インタビュー=結城真一郎著『#真相をお話しします』(7)
◇連載=「ピアラと瞬間の描写」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉鳥飼玖美子著『歴史をかえた誤訳』(仲 詩織)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)

【書評】
 〈3面〉
▽杉田俊介著『橋川文三とその浪曼』(中島一夫)
▽ブレット・カー著『フロイトとの対話』(福本 修)
▽内田 樹著『レヴィナスの時間論』(渡名喜庸哲)

 〈4面〉
▽前田絢子著『エルヴィス、'68カムバック・スペシャル』(村田 薫)
▽角幡唯介著『狩りと漂泊』(荻田泰永)
▽マリエル・ウード編/AFP通信写真『カラー 世界 パンデミックの記録』(山岸 剛)

 〈5面〉
▽ワリス・ノカン著『都市残酷』(山内明美)
▽スタニスワフ・レム著『マゼラン雲』(冬木糸一)
▽吉田昌志・笛木美佳・福田淳子・福田委千代・山田夏樹著『夏目漱石 修善寺の大患前後』(中島国彦)

 〈6面〉
▽大出春江著『赤ちゃん審査会というメディア・イベント』(吉田一史美)
▽上田岳弘著『引力の欠落』(杉江松恋)
▽ステファン・ケルシュ著『GOOD VIBRATIONS 最高の体調をつくる音楽の活用法』(田部井賢一)

 

巻頭特集は

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鼎談=安藤 宏×大原 祐治×十重田 裕一

<〈偉大なる落伍者〉安吾に迫る網羅的大事典>

『坂口安吾大事典』(勉誠出版)刊行を機に

【本紙イントロより】

 勉誠出版より、『坂口安吾大事典』が上梓された。全作品の解説、作家像や作品を知るための重要なキーワード、交流のあった人物など、八三〇を超える項目から坂口安吾を読み解く。本書の刊行を機に、編集代表の安藤宏氏、大原祐治氏、十重田裕一氏に鼎談をお願いした。(編集部)

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 まず本紙に掲載している坂口安吾の略歴を抜粋して記載します。

★坂口安吾(さかぐち・あんご)=一九〇六(明治三九)年一〇月、新潟県新潟市生まれ。日本近現代文学を代表する作家の一人。太宰治・織田作之助・石川淳たちとともに無頼派・新戯作派と呼ばれる。代表作に『風博士』『日本文化私観』『堕落論』『白痴』 『桜の森の満開の下』『不連続殺人事件』など。一九五五(昭和三〇)年二月、脳出血により急逝。

 過去の読書人の紙面を眺めていると、当時の編集部から坂口安吾への強烈な思い入れが伝わってきます。ところが読書人の創刊は1958年、安吾が亡くなったのは上記のとおり1955年なので、残念ながら本紙への登場も、追悼記事の掲載も叶いませんでした。もし、もう少し長く存命していれば創刊号の巻頭を飾るひとりだったでしょう。先人の思いを噛み締めながら、きわめて重厚な安吾一色の事典が誕生したことを寿ぎたいと思います。

 近年は近代文学者の分厚い事典がつぎつぎに刊行されています。各作家研究も進むなかで、どうしてこのような事典が必要になるのか。安藤宏さんがこれからの文学研究の方向性について次のように語っています。

「今までは作家論というと、生い立ちや伝記的な事実を中心に、個人のことに収れんしていく傾向があった。でも、今後はその人がいかに多くの人々と関わったかという人的ネットワークを軸に、文化的背景を論じていく形の作家論が主流になる気がします。」

文学研究の未来、そして坂口安吾の新たな楽しみを知ることができる鼎談です。ぜひお楽しみください。

https://jinnet.dokushojin.com/products/3446-2022_07_01_pdf

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【関連バックナンバー】

2020124日号

鼎談=紅野謙介×内藤千珠子×成田龍一

<文学から「現在」を問う>

『〈戦後文学〉の現在形』(平凡社)刊行を機に

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 戦後文学のなかには安吾に影響をうけた作家も多くいますので、日本の文学史を一本線でつなぐ意味で、ぜひこちらのバックナンバーも併せてお読みください。

https://jinnet.dokushojin.com/products/3368-2020_12_04_pdf

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