【What's New!】週刊読書人11月10日号

【特集】
鼎談=渡名喜庸哲・西山雄二・伊達聖伸
<大物なき後のフランス哲学の魅力>
トークイベント〈『現代フランス哲学』を読む〉載録

【今週の読物】
▽川端康成没後50年国際シンポジウム報告(原 善)(7)
▽論潮〈11月〉(森脇透青)(3)
▽文芸〈11月〉(山﨑修平)(5)
▽映画時評〈11月〉(伊藤洋司)(8)
◇連載=「『聖杯伝説』のリハーサル」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉ベル・フックス著『学ぶことは、とびこえること』(渡邉雅子)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)


【今週の書評】
〈3面〉
▽佐久間寛編『負債と信用の人類学』(片岡大右)

〈4面〉
▽クラウス・メシュカト述、クラウス・フュルベルク=シュトルベルク/フォルカー・ヴュンデリヒ編『越境する批判的社会学者』(伊豆田俊輔)
▽国立大学法人 東京学芸大学編『東京学芸大学150年の歩み』(上原秀一)
▽廣末登著『闇バイト』(都島梨紗)

〈5面〉
▽クリスティン・スモールウッド著『精神の生活』(太田明日香)
▽コルヴォー男爵著『教皇ハドリアヌス七世』(藤林道夫)

〈6面〉
▽渡部佳延著『知の歴史』(湯山光俊)
▽アンドレア・バッティスティーニ著『バロック』(宮下規久朗)
▽山内朋樹著『庭のかたちが生まれるとき』(横関隆登)

〈7面〉
▽ピーター・シンガー編『何か本当に重要なことがあるのか?』(鶴田尚美)

巻頭特集は

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鼎談=渡名喜庸哲・西山雄二・伊達聖伸
<大物なき後のフランス哲学の魅力>
トークイベント〈『現代フランス哲学』を読む〉載録

【本紙イントロより】
 『現代フランス哲学』(筑摩書房)刊行を機に、本書著者で立教大学教授の渡名喜庸哲氏、東京都立大学教授の西山雄二氏、東京大学大学院教授の伊達聖伸氏による刊行記念トークイベント(一〇月五日、イベントスペース「読書人隣り」にて開催)の模様を載録する。(編集部)

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今回のトークイベントでは、お三方がそれぞれお話される際に、だいたい20分前後の時間を使ってロールしていく進行で、さながらシンポジウム的な様相を呈していたため、紙面でも1パートお一人の発言という体裁を取り、二部構成にまとめました。

第一部は、『現代フランス哲学』の読み方についての議論です。渡名喜庸哲さんは著者ですから、読み方というよりはかなり深掘りした本書の概説を、伊達聖伸さんはライシテ、宗教学のご専門ですので、本書における宗教的な要素についての読み方、西山雄二さんは本書全体の読み方、といった具合です。本書を未読の方は渡名喜さんや西山さんのパートが参考になるでしょうし、一度通読された方は伊達さんの読み方をヒントに、「第5章 〈宗教的なもの〉の再興」にもう一度あたってみると違った読み方ができるかもしれません。

第二部は、フランスにおける現在の知識人たちの再考です。そもそも知識人とは何か。フランス社会でどういった役割を果たしてきたのか。現在もその役割を果たしうるのか。このあたりの議論を、お三方がそれぞれの見解でお話されています。

フーコー、ドゥルーズ、デリダ以後、巨匠不在のフランス現代哲学、現代思想において、今誰を読むべきか。鼎談本編でもかなりの名前が挙がっていますし、もっと知りたい方は本書の圧巻の人物索引や、本編でも話題にあがった「現代フランス思想家マップ」をご参照いただくとよいと思います。ぜひ、今のフランス哲学を存分にお楽しみください。

[2023年11月10日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3514-2023_11_10_pdf

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★来週開催!

 

ハイデガーは『存在と時間』への自己批判をいかにして展開したのか――「黒ノート」およびその周辺資料から

【講師】
齋藤元紀

日 時:11月17日(金)19時~

ハイデガーの主著と言えば、たいてい誰もが『存在と時間』(1927年)を思い浮かべるだろう。だが周知のとおり、この書物は中途で挫折した未完の書物である。1953年の第7版刊行時に「前半」という文言を削除することで、ようやくハイデガー自身もその未完の事実を認めたのだが、もちろんこの四半世紀の間、『存在と時間』をめぐる格闘は存続していた。否、それどころか以後も晩年に至るまで、ハイデガーは『存在と時間』に対する飽くなき自己批判を展開していたのである。その歩みがようやく、昨年刊行が完結した「黒ノート」およびその周辺資料から明らかになりつつある。本セミナーでは、それら資料を徹底的に読み解き、ハイデガーの自己批判の過程を究明することで、『存在と時間』の挫折の理由のみならず、『存在と時間』の思想の核心に迫る。表面的な読解では決して達しえない、『存在と時間』のうちに潜む思想の深遠かつ長大な射程を明らかにすることを目指したい。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231117
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231117_online

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【ご案内】
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