【What's New!】週刊読書人6月30日号

【特集】
鼎談=谷口功一×玉袋筋太郎×飯田泰之
<大人が帰る場所、スナックの未来>
トークイベント「日本の夜を取り戻す!」載録


■『ニジンスキーは銀橋で踊らない』(河出書房新社)刊行を機に
かげはら史帆インタビュー(8)


【読物】
◇連載=「「国民映画」の喪失」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉宮下奈都著『羊と鋼の森』(村井ひかり)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)


【書評】
〈3面〉
▽フランシスコ・リコ著『ユマニスムの夢』(上村忠男)
黒坂愛衣・福岡安則著『ハンセン病家族訴訟』(宇内一文) ★記事無料公開
▽江端希之著『躍動する聖地』(慶田勝彦)

〈4面〉
▽マリアーノ・ホセ・デ・ラーラ著『ラーラ』(菊池信彦)
小川実紗著『観光と「性」』(兼子 歩)★記事無料公開
▽ベル・フックス/スチュアート・ホール著『アンカット・ファンク』(西あゆみ)

〈5面〉
▽富山英俊著『比喩と反語』(野村喜和夫)
▽山崎一穎著『森鷗外論攷 完』(林 正子)
▽正津勉著『裏日本的』(鎌田東二)

〈6面〉
大谷能生著『歌というフィクション』(土佐有明)★記事無料公開
▽イェワン・クーン著『奈良美智 終わらないものがたり』(暮沢剛巳)
稲垣智則著『「ニセの自分」で生きています』(パンス)★記事無料公開

※記事の無料公開は6月30日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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鼎談=谷口功一×玉袋筋太郎×飯田泰之
<大人が帰る場所、スナックの未来>
トークイベント「日本の夜を取り戻す!」載録

【本紙イントロより】

 二〇二一年秋から二〇二二年末にかけて全国のスナックを訪れ、そこで働く人たちの声を丹念に取材しまとめた『日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く』(PHP研究所)が刊行された。
 本書刊行を機に、著者で法哲学者の谷口功一氏と、お笑い芸人で「全日本スナック連盟」会長の玉袋筋太郎氏、経済学者の飯田泰之氏を招き実施したトークイベントの模様を載録する。(編集部)
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 テーマが夜の街、スナック、ゲストに玉袋筋太郎さんなので、初見でエンタメ的な内容に取られてしまうかもしれません。しかし、イベントの主眼としてあったのはポストコロナにおける社会の行方、とりわけコロナ禍で痛めつけられたサービス産業のうち、より深刻な打撃を受けた水商売の現在という切実なテーマです。谷口功一さんはフィールドワーク的見地から、飯田泰之さんは地域経済の視点、そして玉袋さんは経営者としての現場のリアルな声を。イベントではそれぞれ聞くことができ、当日は嵐のような最悪の天候のなかでもほぼ満席。随所に玉袋さん節が炸裂し、会場から笑いの絶えないトークになりつつ、一方で真剣な議論もあり、大いに盛り上がりました。

 載録ではイベントの内容をもれなくとはいきませんでしたが、ポスト・コロナでの地域経済の課題とは。谷口さんの発言を引用します。

 「私の郷里の別府(大分県)が典型ですが、ここはかなり人が戻ってきているものの、拙著にも登場するお店のママいわく、いま別府で走っているタクシーは一台しかないそうです。このタクシー不足は別府にかぎらず、いまや全国的な問題です。」

 もちろん、これは夜の街にかぎった話ではなく、昼の生活にも直結した話であり、買い物難民が続出していると飯田さんも付け加えます。

 スナック、飲み談義が尽きないなかで、なぜスナックが必要なのか玉袋さんは次のように語ります。

 「人間年を取っていくとどんどん頑固になっちゃうじゃないですか。それを緩和してくれる場所でもあるんですよね。」

 最近はスナックにつきものののタバコ、カラオケのない新感覚スナックも出てきて、地域の人で賑わっているという話も出ます。お三方のお話を読み終わったあとにはふらっと一軒、スナックに足を運んでみてはいかがでしょうか。

[2023年6月30日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3495-2023_06_30_pdf

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★7月末に開催

■田中秀臣×栗原裕一郎トークイベント
<不寛容な時代に抗う言論は~肥大化するキャンセルカルチャー問題を考える>

日時:7月28日(木)19時~(約1時間半予定)

加速するSNS時代に起きたこの潮流に抗うためには、どのような態度、言論でのぞむべきなのか。たびたび、この問題についてメディアなどで言及をしている、経済学者の田中秀臣氏と文芸評論家の栗原裕一郎氏に対談いただき、いま目の前で起きているキャンセルカルチャーの問題をめぐって、この機会に徹底的に議論してもらう。

【登壇者】
田中秀臣(経済学者)
栗原裕一郎(文芸評論家)

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230728
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230728_online

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★7月15日開催!

■「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者のための入門講座(第6回)
テーマ:『IQ84』後半

講 師:仲正昌樹
日 時:7月15日(土)18時~

日本を代表する世界文学作家の意外にも、語られることが少なかった現代思想や哲学の視点とは?
逆に、思想・哲学にも世界的に影響を与えている、その世界観とは?
ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230715
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230715_online

 

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