【What's New!】週刊読書人12月1日号

【特集】
対談=小田切拓×早尾貴紀
<パレスチナで起っている本当のこと>

松井茂・菊地成孔対談
『坂本龍一のメディア・パフォーマンス』(フィルムアート社)をめぐって(8)★本紙未掲載部分無料公開

【今週の読物】
▽呉勝浩『Q』を読む(古山裕樹)(6)
▽訳者から読者へ『乾杯、神さま』(鋤柄史子)(7)
◇連載=「ロメールへ影響を与えた作家」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉杉井光著『世界でいちばん透きとおった物語』(久保田真依)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=American Picture Book Review(堂本かおる)(7)


【今週の書評】
〈3面〉
▽廣瀬純著『新空位時代の政治哲学』(佐藤嘉幸)
▽石川達夫編/貝澤哉・奈倉有里・西成彦・前田和泉著『ロシア・東欧の抵抗精神』(中村唯史)

〈4面〉
▽ジェフリー・ロバーツ著『スターリンの図書室』 (南陀楼綾繁)
▽近藤正規著『インド』(原田 泰)
宮下直著『ソバとシジミチョウ』(三中信宏)★記事無料公開

〈5面〉
▽津原泰水著『夢分けの船』(長瀬 海)
▽結城正美著『文学は地球を想像する』(松永正訓)
川端裕人著『ドードー鳥と孤独鳥』(山﨑修平)★記事無料公開

〈6面〉
▽高階秀爾著『ヨーロッパ近代芸術論』(秋丸知貴)

巻頭特集は

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対談=小田切拓×早尾貴紀
<パレスチナで起っている本当のこと>

【本紙イントロより】
 ニュースを見れば、日々イスラエルとパレスチナの凄惨な映像が映し出される。しかし本当に伝えるべきことはマス・メディアでは何も語られていない。東京経済大学教授の早尾貴紀氏と、パレスチナの問題を長年追ってきたジャーナリストの小田切拓氏に、現在起こっているガザ地区攻撃について、その核心をお話しいただいた。(編集部)

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「世界中がこの事態に注目しているにもかかわらず、「テロと報復の連鎖」といった、型に嵌った語り口が横行しています。実際はそのような事態ではないということを、今日は掘り下げていけたらと思っています。」

冒頭の早尾さんの発言を抜粋しましたが、今回の対談はまさにこの発言に沿った、イスラエル建国から現在に至るまでのイスラエル及び国際社会の思惑を徹底的に深掘りして、今回の事態の本質に迫ります。

まず、締結されて今年でちょうど30年を迎えた「オスロ和平」への批判がなされます。そもそも「オスロ和平」とは。早尾さんが次のように解説します。

「PLO(パレスチナ解放機構)を自治政府とし、同時にイスラエル国家を承認することで、パレスチナ・イスラエル問題を「解決」しようという、準国際法規的取り決めです。」

そして次のように続けます。

「結論を言えば、「オスロ和平」とは、イスラエルとそれを支える欧米社会にとって都合がいい枠組みを、パレスチナに押し付けただけのものでした。」

この具体的な問題点が小田切さんの応答を含めて詳細に語られます。

次のパートの冒頭、小田切さんは次のような発言をします。

「イスラエルはガザを、自分たちに都合の良い「解決」を実現するための「宝箱」のように利用しています。ガザを先行事例、実験台にした軍略や経済活動の管理体制を、西岸地区に持ち込む。そうしてパレスチナを弱体化させ、イスラエルの支配領土を拡大していくやり方です。」

イスラエルの本質を突く非常に鋭い指摘がなされます。以降も非常に分厚い議論が展開されます。対談の締めに早尾さんが「まず、今日お話ししたことを最低限のラインとして共有するところから、でしょうか。」と発言しますが、ここに至るまでのお二人の重要な話は今の問題を見る上で必読です。ぜひご一読ください。

[2023年12月1日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3517-2023_12_01_pdf

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★12月開講

 

バタイユ入門講義(第2回)
テーマ:『呪われた部分・全般経済学試論・蕩尽』第三部・第四部

【講師】
仲正昌樹

日 時:12月9日(土)18時~

いま、再注目のバタイユを、全体を俯瞰しつつ、丁寧に読解。最もまとまった形で表現されているテクストを通じて、その核心に迫る。

文学、芸術、哲学、経済人類学にわたる広範な批評活動を通して、フランス現代思想に強い影響を与え、日本でも栗本慎一郎等が主要な参照項にしていたことが知られているものの、バリエーションに富む独特の叙述スタイルのゆえに、その全体像があまり伝わっていない、バタイユの思想を、彼の思想が最もまとまった形で表現されている『呪われた部分・全般経済学試論』と『エロティシズム』を精読する。キリスト教神学、ヘーゲル、ニーチェと、レヴィ=ストロース、ドゥルーズ等を繋ぐバタイユの位置を明らかにすることを試みる。『内的体験』や『有罪者』『非―知』などのよく知られたテクストでの議論も可能な限り視野に入れながら解説していく。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231209
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231209_online

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■『アンソロジスト』から生まれた文章講座 2024年上期(全5回) 

講 師:太田靖久(作家)、大槻慎二(『アンソロジスト』編集長)
日 程:2024年1月28日、2月11日、2月25日、3月10日、3月24日(隔週日曜)

雑誌『アンソロジスト』の編集長・大槻慎二と、作家・太田靖久が「アンソロジーの編み方」と「小説の書き方」をイチから教えます!
全五回の講座で、短篇小説(エッセイも可)を1篇書き上げ、文豪たちの作品と共に〝あなたの作品〟が収録された、世界で1冊のアンソロジーを作りましょう。

★全5回の講座の終わりに、〝あなたの作品〟が活字化されたリフィル(20冊×330円=6600円相当)と、あなたが編んだアンソロジー1冊(既刊リフィル5冊×330円+ブックジャケット1980円=3630円)をお持ち帰りいただけます。

★さらに優秀作品1作を『アンソロジスト』へ掲載!!

【参加申し込みURL】https://jinnet.dokushojin.com/products/writing_seminar2024_01

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