【What's New!】週刊読書人2月10日号
【巻頭特集】
対談=池田嘉郎×中澤達哉
<歴史学は〈戦争〉とどう向き合うか>
ロシア-ウクライナ戦争開戦1年を控えて
■太田登インタビュー
『啄木 我を愛する歌 ―発想と表現―』(八木書店)(8)
【読物】
▽映画時評〈2月〉(伊藤洋司)(7)
▽『対抗言論3』トークイベントレポート(8)
◇連載=「ルノワールとフランス社会」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉平野啓一郎著『死刑について』(若月昌枝)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)
【書評】
〈3面〉
▽ウォルター・アイザックソン著『コード・ブレーカー 上・下』(林 真理)
▽マイケル・ウッド著 『中国全史 上・下』(上田 信)★記事無料公開
▽前田速夫著『未完のユートピア』(瀧田 浩)
〈4面〉
▽坪光生雄著『受肉と交わり』(渡辺 優)
▽三田晴夫著『同時代美術の見方』(宮田徹也)★記事無料公開
▽杉浦康平著『本が湧きだす』(大田暁雄)
〈5面〉
▽トマス・M・ディッシュ著『SFの気恥ずかしさ』(樋口恭介)★記事無料公開
▽峯村敏明著『峯村敏明著作集Ⅳ』(星野 太)★記事無料公開
▽西成彦著『死者は生者のなかに』(細見和之)
〈6面〉
▽ロバート・コンセダイン/ジョアナ・コンセダイン著『私たちの歴史を癒すということ』(吉井千周)★記事無料公開
▽キャロル・ギリガン著『もうひとつの声で』(西條玲奈)
▽紫原明子著『大人だって、泣いたらいいよ』(清田隆之)
※記事の無料公開は2月10日(金)の10時以降から順次行っていきます。
巻頭特集は
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対談=池田嘉郎×中澤達哉
<歴史学は〈戦争〉とどう向き合うか>
ロシア-ウクライナ戦争開戦1年を控えて
【本紙イントロより】
昨年二月二四日のロシアによる突然のウクライナ侵攻から、まもなく一年を迎える。戦闘の長期化が懸念され、情勢の不透明さは増す一方だ。現在の戦争に対する歴史家の向き合い方について、池田嘉郎氏(近現代ロシア史)、中澤達哉氏(中・東欧近世・近代史)に語っていただいた。(編集部)
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なぜロシアがウクライナに侵攻したか。開戦から1年の間に政治的、軍事的、経済的、歴史的に様々な識者が論説を繰り広げました。今回対談に登場した池田嘉郎さん、中澤達哉さんもそのうちのひとりです。
対談冒頭、中澤さんが昨年上半期の欧州におけるおおまかな流れを、自身の見解を交えながら振り返ります。特にウクライナに隣接する中東欧諸国がウクライナ支持に乗り出す一方で、西ヨーロッパの大国が見せたあからさまな「傍観ぶり」に失望した、と述べています。
同じく中澤さんの後段の発言からですが、池田さんが寄稿した『日経新聞』や『中央公論』を参照しながらプーチン大統領の戦争に至る思考のプロセスを次のように解説します。
「「歴史の情念」という考え方を示して、経済的利益とは異なる歴史的記憶に根ざした〈情念〉がプーチンをかりたてている点や、その情念が大国ロシアの伝統を作り直せるんだっていうプーチンの自負の源になっているという点を指摘なさった。(中略)
帝国主義の論理だと資本蓄積や経済的な拡張の説明になってくるんですけども、経済的な利益とはまた異なる、歴史的記憶に根ざした情念というものがどれだけ歴史を動かしているか、そこに着目することの重要性を帝国論の中で示されたのです。」
本対談の付録として、池田さんと中澤さんが選書した、昨年を中心にここ数年で刊行された歴史学、政治学関係の書籍のブックリストも掲載しています。歴史学という長い射程で今回の戦争が何だったのかと考えるきっかけになる、刺激的な対談です。ぜひご一読ください。
[2023年2月10日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3476-2023_02_10_pdf
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【近日開催イベント】
イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとにぜひ遊びにいらしてください。
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