【What's New!】週刊読書人2月24日号

【巻頭特集】
対談=小池昌代×武田砂鉄
<「普通」の家族をゆらぎにほどく>
『くたかけ』(鳥影社)『父ではありませんが 第三者として考える』(集英社)刊行を機に


【読物】
追悼・加賀乙彦(岳 真也)(8)★記事無料公開
▽「時間を先取りした芸術家たちの死の連鎖、なぜ」(横尾忠則)(8)
◇連載=「ルノワールとユダヤ人問題」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉角田光代著『笹の舟で海をわたる』(長田愛唯花)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)

【書評】
〈3面〉
▽小栗誠治著『中央銀行論』(新保芳栄)
▽仲里効著『沖縄戦後世代の精神史』(田仲康博)
スヴェン・ベッカート著『綿の帝国』(今井慧仁)★記事無料公開

〈4面〉
▽木庭顕編訳『トゥーキュディデースとホッブズ』(梅田百合香)
▽崔銀姫編著『東アジアと朝鮮戦争七〇年』(中野敏男)
▽小宮山陽子著『死の定義と〈有機的統合性〉』(斎藤 光)

〈5面〉
築地正明著『古井由吉』(長瀬 海)★記事無料公開
鴻巣友季子著『文学は予言する』(白石純太郎)★記事無料公開
▽ジェヨン著『書籍修繕という仕事』(君島朋幸)

〈6面〉
▽中森弘樹著『「死にたい」とつぶやく』(岡村逸郎)
▽堂目卓生・山崎吾郎編『やっかいな問題はみんなで解く』(坂井亮太)
齊藤彩著『母という呪縛 娘という牢獄』(インベカヲリ★)★記事無料公開

※記事の無料公開は2月24日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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対談=小池昌代×武田砂鉄
<「普通」の家族をゆらぎにほどく>
『くたかけ』(鳥影社)『父ではありませんが 第三者として考える』(集英社)刊行を機に

【本紙イントロより】
 作家の小池昌代氏が小説『くたかけ』(鳥影社)を、ライターの武田砂鉄氏はエッセイ『父ではありませんが 第三者として考える』(集英社)を上梓した。ともに「普通」の家族という凝り固まった認識を疑い、それを溶かすにはどうしたらよいか試行している。二冊を中心に、家族や子育てについて、いろいろとお話いただいた。(編集部)
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 二人の対談を読みながら思うのは、物を書く人というのはやはり「普通」の人と少しズレた鋭いところがあるのだな、ということ。そして読み進めていくうちに「普通」と思っていたことが実は「普通」ではないのではないか、という気付きにつながること。まさにタイトルにあるとおり、ゆらぎが読後にも延々と残るわけです。

 では、どこが「普通」ではないのか。 

 小池昌代さんが、武田砂鉄さんのエッセイの一節を取り上げて次のように発言します。

 「子どものいる同級生たちとの集まりでは、会話は主に「子育ての話」と「昔の話」になると。ご友人が「子どもの話ばかりでつまらないでしょう」と言い、武田さんが「つまらないね」と返したら、場が静まった。思い出話に対してなら、「つまらないよ」と突っ込んでも空気は固まらないのに、その反応の差はなんだろうと。」

 では、何がつまらないのか武田さんは「ありきたりで、どこかで聞いたことのある「前提」の話ばかりだったからだと思います。」と述べます。普通ならつまらないとしても、面と向かっては言えない。だけど、言うことで違う気付きが生まれる。二人の新著を通してこんな気付きが随所に出てくる対談です。

 おそらく、今置かれている状況や立場、環境によって受け取り方が変わってくる内容の記事になるでしょうから、時間を置いて二度三度読まれることをオススメします。まずはご一読ください。


[2023年2月24日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3478-2023_02_24_pdf

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【近刊情報】
<4月6日発売>
『ジャック・デリダ 「差延」を読む』
著者:森脇透青/西山雄二/宮﨑裕助/ダリン・テネフ/小川歩人

新書判・224ページ・1320円
ISBN13:978-4-924671-57-7
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「ジャック・デリダのすべてが『差延』に集約されるのではなく、デリダのすべてが『差延』から出てくるのだと主張しておかなければならない」(ジャン=リュック・ナンシー)。

ジャック・デリダが、若干38歳の時に発表した「差延」は、当時のフランス哲学の錚々たる研究者(権威)の前で発表された。デリダが、何を語ろうとしたのかは、未だ多くの謎を残す。この「差延」論文を精緻に読み、詳細な解説・講演を行ったのが、若手デリダ研究者(京都大学大学院博士課程)の森脇透青である。また、森脇の講演に対して、宮﨑、テネフ、西山、小川といったデリダ研究者が丁寧に応える。7時間を超えるシンポジウムの全記録に、森脇をはじめとして発言者が大幅に加筆。
当時、フランス哲学会の重鎮たちが、新進気鋭の哲学者デリダの発表に、どう反応したのか。日本語未邦訳の発言も多数紹介。
本書は、最新のデリダ研究への誘いの書となる。最もわかりやすいデリダ入門であり、初学者が紐解ける〈哲学入門の書〉である。

★読書人オンラインショップで予約受付中
https://jinnet.dokushojin.com/products/book-9784924671577
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【近日開催イベント】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとにぜひ遊びにいらしてください。
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★「連続講座「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者ための入門講座」
講師:仲正昌樹
日時:3月11日(土)18時~
日本を代表する世界文学作家の意外にも、語られることが少なかった現代思想や哲学の視点とは? 逆に、思想・哲学にも世界的に影響を与えている、その世界観とは? ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。
第2回のテーマは『ダンス・ダンス・ダンス』(講談社文庫)
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230311
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230311_online

※配信は講座開催から1週間後までアーカイブ視聴可能
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