【What's New!】週刊読書人3月24日号

週刊読書人2023年3月24日号

【巻頭特集】
対談=星野太×藤原辰史
<「寄生」再考のレジスタンス>
星野太著『食客論』(講談社)刊行を機に

【巻末特集】
■津村記久子インタビュー
『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)刊行を機に


【読物】
◇連載=「『恋恋風塵』(侯孝賢)の重要性」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉ROLAND著『君か、君以外か。』(関根早紀)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)


【書評】
〈3面〉
▽トーン・ホルステン著『フッサールの遺稿』 (富山 豊)
檜垣立哉・平井靖史・平賀裕貴・藤田尚志・米田翼著『ベルクソン思想の現在』(岡嶋隆佑)★記事無料公開
▽最相葉月著『証し』(橋爪大三郎)

〈4面〉
▽松田浩著『知の共同体の法理』(水島朝穂)
▽加藤瑞穂著『田中敦子と具体美術協会』(宮田徹也)
古東哲明著『沈黙を生きる哲学』(菅原 潤)★記事無料公開

〈5面〉
▽ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ著『若きヴェルターの悩み タウリスのイフィゲーニエ』 (川崎 祐)
▽パスカル・ペリノー著『ポピュリズムに揺れる欧州政党政治』(藤林道夫)
西村賢太著『蝙蝠か燕か』(小谷野敦)★記事無料公開

〈6面〉
松井孝典著『地球外生命を探る』(湯山光俊)★記事無料公開
緑慎也著『13歳からのサイエンス』(伊藤和弘)★記事無料公開
▽伊東寿泰著『これで変わる! あなたの英語力!』(北 和丈)

※記事の無料公開は3月24日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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対談=星野太×藤原辰史
<「寄生」再考のレジスタンス>
星野太著『食客論』(講談社)刊行を機に

【本紙イントロより】
 美学・表象文化論を専門とする星野太氏が『食客論』(講談社)を上梓した。ソクラテスからアーレントまで、テクストに潜む「食客」を追い、食と言語を再定義する。刊行を機に、『縁食論』『分解の哲学』など農業史・食の思想史を専門とする歴史学者、藤原辰史氏との対談をお願いした。(編集部)
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 歴史小説などにでてくる「食客」は、普段は頼りにならないけれどいざとなったら快刀乱麻の活躍をするヒーロー的な響きがありますが、「パラサイト」といってしまえば、ただの厄介者。でも、言われてみればたしかに小説の登場人物のようにいざという時に助けになってくれなければ厄介者に変わりはない。そんなことを本対談を読みながら気付かされつつ、著者の星野太さんは本書における「食客」を次のように論じます。
 「気づけばそこにいる得体の知れない隣人のことです。当たり前のことですが、私たちの周囲にいるのは、友か敵かでは分けられない、無数の曖昧な他者にほかなりません。」

 また、本書に登場する思想家のうち、フーリエの「食客」に対する考え方も星野さんは解説します。
 「いわゆる寄食者のことではないんですね。むしろ我々はみな食客であって、なかでも典型的な食客は商人だと言うんです。つまり、現代的に言えば商社マンこそが、この社会に寄生するパラサイトだということになる」

 藤原辰史さんの著書からの影響も本紙の「食」に関わる企画で、たびたび登場いただく藤原辰史さんは、星野さんとの思考の共通点を次のように語ります。
 「本書には僕の『分解の哲学』も引用いただいていましたが、僕たちの思考の共通点とは何か。ひとつには、共生批判だと思うんです。」

 思考的な共通点がありつつも、実は食に対する向き合い方が真逆だということも対談中で明かされます。星野さんタイプか、藤原さんタイプか。どちらかに当てはまるでしょうから、当てはまった方の視点で本対談をお読みいただくと、より楽しみが増すかもしれません。ぜひ、二人による刺激的な対談をご一読ください。

[2023年3月24日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3482-03_24_pdf

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【近日開催イベント】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとにぜひ遊びにいらしてください。
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★「連続講座「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者ための入門講座」
講師:仲正昌樹
日時:4月8日(土)18時~
村上春樹さん6年ぶりの新作長編『街とその不確かな壁』刊行目前!日本を代表する世界文学作家の現代思想や哲学の視点を考察し、ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。
第3回のテーマは『ねじまき鳥クロニクル』(新潮文庫)
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230408
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230408_online

※配信は講座開催から1週間後までアーカイブ視聴可能

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【近刊情報】
<4月6日発売>
『ジャック・デリダ 「差延」を読む』
著者:森脇透青/西山雄二/宮﨑裕助/ダリン・テネフ/小川歩人

新書判・224ページ・1320円
ISBN13:978-4-924671-57-7
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「ジャック・デリダのすべてが『差延』に集約されるのではなく、デリダのすべてが『差延』から出てくるのだと主張しておかなければならない」(ジャン=リュック・ナンシー)。

★読書人オンラインショップで予約受付中
https://jinnet.dokushojin.com/products/book-9784924671577
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【ご案内】
定期購読のお申し込みはPDF配信版《通年》がオススメ!
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