【What's New!】週刊読書人3月31日号

週刊読書人2023年3月31日号

【巻頭特集】
池澤夏樹インタビュー(聞き手=小林えみ)
<葛藤を続けた秋吉利雄の生涯>
『また会う日まで』(朝日新聞出版)刊行を機に

【企画】
■優良辞典・事典あんない


【読物】
◇連載=「侯孝賢―映画史における最も重要な作家」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(8)
◇連載=〈書評キャンパス〉』ジョン・コナリー著『失われたものたちの本』(外塚唯)(7)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)


【書評】
〈3面〉
上村忠男著『独学の思想』(倉科岳志)★記事無料公開
▽イヴ・コソフスキー・セジウィック著『タッチング・フィーリング』(大串尚代)
▽新川敏光著『政治学』(中道寿一)

〈4面〉
四方田犬彦著『パゾリーニ』(森元庸介)★記事無料公開
▽渡辺考著『沖縄 戦火の放送局』(土屋里穂)
▽立木康介著『ラカン』(福本 修)

〈5面〉
▽譲原晶子著『バレエはアラベスク』(呉宮百合香)
▽ソン・ウォンピョン著『他人の家』(九螺ささら)
大澤慶久著『高松次郎』(松井 茂)★記事無料公開

〈6面〉
▽ジョナサン・W・ジョーダン著『FDRの将軍たち上・下』(野中章弘)
与那原恵著『琉球切手を旅する』(櫻井信栄)★記事無料公開
沼田和也著『街の牧師 祈りといのち』(北條一浩)★記事無料公開

※記事の無料公開は3月31日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

================================================

池澤夏樹インタビュー(聞き手=小林えみ)
<葛藤を続けた秋吉利雄の生涯>
『また会う日まで』(朝日新聞出版)刊行を機に

【本紙イントロより】
 作家の池澤夏樹氏が長編小説『また会う日まで』(朝日新聞出版)を上梓した。二〇二〇年八月から二〇二二年一月まで、「朝日新聞」に連載された新聞小説である本作の主人公は、池澤氏の大伯父である秋吉利雄。海軍の軍人・天文学者・クリスチャンとして、明治~戦後を生きた彼の生涯を描く。よはく舎・マルジナリア書店オーナーの小林えみ氏に聞き手をお願いし、池澤氏にお話を伺った。(編集部)
======

 大著と呼ぶにふさわしい、池澤夏樹さんの新作『また会う日まで』が堂々刊行です。発売直後から弊社真向かいの東京堂書店でフェアが行われるなど待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。

 インタビューを読んで驚かされるのは、秋吉利雄に関する文章が息子の輝雄によって保管されていた、ということです。池澤さんは「輝雄は父親が好きだったのでしょう。」と述べますが、そのような身近な奇跡が新たな文学を創造するのだな、と感じます。

 池澤さんは本書について、「秋吉利雄の伝記ではなく、歴史小説だと考えています。」とおっしゃいます。秋吉利雄だけでなく、その周囲の人間のことも書ききったことで、これだけ重厚な一冊になったと言えるでしょう。事実の積み重ねから想像力が広がり、秋吉利雄と日野原重明を結びつけた。まさに、「ありえたこと」を描いた歴史小説ならではの醍醐味を語ります。
 
 物語の背景となる<戦争>を描くにあたり、加藤陽子さんと半藤一利さんの戦争観を参考にしたと池澤さんは語ります。
 「特に半藤さんの『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』は、終戦を描くにあたって、読み込みましたね。太平洋戦争は、なぜあのような形で終わったのか。もしくは、終わらせることができたのか。今の地点から見て、あの戦争を評価する歴史家のポジションとして、加藤さんと半藤さんを選択させてもらいました。」

 聞き手の小林えみさんはクリスチャンという立場からの質問は、『また会う日まで』の世界観の幅をさらに広げてくれます。すでに本書を読み終えた方もいらっしゃると思いますが、本インタビューをお読みいただくとまた違った視点が見えてくるかもしれません。ぜひご一読ください。

 また、『また会う日まで』刊行直後に弊社イベントスペースで行われた池澤さんと黒川創さんによるトークイベントがアーカイブ配信で4月5日までご視聴いただけます。満員御礼だった大好評イベントの模様がご覧いただけるのも今だけですので、この機会にぜひお楽しみください。

[2023年3月31日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3483-2023_03_31_pdf

[池澤夏樹・黒川創トークイベント 配信チケット販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230306_online

********************

【近日開催イベント】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとにぜひ遊びにいらしてください。
================================================

★「連続講座「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者ための入門講座」
講師:仲正昌樹
日時:4月8日(土)18時~
村上春樹さん6年ぶりの新作長編『街とその不確かな壁』刊行目前!日本を代表する世界文学作家の現代思想や哲学の視点を考察し、ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。
第3回のテーマは『ねじまき鳥クロニクル』(新潮文庫)
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230408
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230408_online

※配信は講座開催から1週間後までアーカイブ視聴可能

********************

【近刊情報】
<4月6日発売>
『ジャック・デリダ 「差延」を読む』
著者:森脇透青/西山雄二/宮﨑裕助/ダリン・テネフ/小川歩人

新書判・224ページ・1320円
ISBN13:978-4-924671-57-7
====================

「ジャック・デリダのすべてが『差延』に集約されるのではなく、デリダのすべてが『差延』から出てくるのだと主張しておかなければならない」(ジャン=リュック・ナンシー)。

★読書人オンラインショップで予約受付中
https://jinnet.dokushojin.com/products/book-9784924671577
********************

【ご案内】
定期購読のお申し込みはPDF配信版《通年》がオススメ!
 当オンライショップでは定期購読のパッケージも販売中です。新聞配達版《2ヶ月》《半年》《通年》とPDF配信版《通年》の4プランを用意しています。
 特にPDF配信版なら新聞配達版《通年》よりも1000円お得。発売のタイミング(通常金曜日)のAM9:00にダウンロードURLをメールでご案内します。場所を取らずに保管にも便利な定期購読PDF配信版《通年》ぜひお試しください。
https://jinnet.dokushojin.com/products/year-round-pdf