【What's New!】週刊読書人5月19日号
【巻頭特集】
鼎談=酒井健×澤田直×岩野卓司
<バタイユの新しい可能性を開く>
『はじまりのバタイユ 贈与・共同体・アナキズム』(法政大学出版局)刊行を機に
■対談=高鳥都×千街晶之
『必殺シリーズ異聞 27人の回想録』(立東舎)刊行を機に(8)
【読物】
▽映画時評〈5月〉(伊藤洋司)(7)
◇連載=「映画の客観性とモラル」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉僕のマリ著『書きたい生活』(黒沼徹)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)
【書評】
〈3面〉
▽中畑正志著『アリストテレスの哲学』(金山弥平)
▽神戸説話研究会編『世継物語注解』(中島和歌子)
▽手塚千惠子著『社会のストレスとこころ』(可能涼介)★記事無料公開
〈4面〉
▽B・W・アンダーソン著『旧約聖書』(越後屋朗)
▽坂本龍一・福岡伸一著『音楽と生命』(小島雅史)★記事無料公開
▽三浦清美訳・解説『中世ロシアの聖者伝(一)』(伊丹聡一郎)
〈5面〉
▽野谷文昭著『ラテンアメリカン・ラプソディ』(旦 敬介)★記事無料公開
▽五月女颯著『ジョージア近代文学のポストコロニアル・環境批評』(小椋 彩)
▽亀山郁夫・エリス俊子編『愛、もしくは別れの夜に』(林 浩平)
〈6面〉
▽岡田憲治著『教室を生きのびる政治学』(杉谷和哉)★記事無料公開
▽マシュー・ウィリアムズ著『憎悪の科学』(木澤佐登志)
▽菊地信義著『装幀余話』(蜂飼 耳)
※記事の無料公開は5月19日(金)の10時以降から順次行っていきます。
巻頭特集は
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鼎談=酒井健×澤田直×岩野卓司
<バタイユの新しい可能性を開く>
『はじまりのバタイユ 贈与・共同体・アナキズム』(法政大学出版局)刊行を機に
【本紙イントロより】
二〇世紀フランスの思想家・作家ジョルジュ・バタイユ(一九八七ー一九六二)は、文学・哲学・宗教学・美学など幅広い分野の著作を残した。日本語にも早くから翻訳され、多くの作家・研究者らに多大なる影響を与えてきた。今新たにバタイユを読む意味とは何か。一五名の論者が参加した『はじまりバタイユ 贈与・共同体・アナキズム』(澤田直・岩野卓司編、法政大学出版局)が刊行された。刊行を機に、酒井健・澤田直・岩野卓司の三氏に鼎談をしてもらった。(編集部)
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毎週、最新号が刷り上がった直後に告知ツイートをしていますが、とりわけ今週号の告知ツイートに対する反応がよく、それだけ本特集のテーマの『はじまりのバタイユ』に対する注目度の高さがうかがえます。目次に並んだ名前を眺めているだけでもワクワクする。非常に魅力的かつ意欲的な一冊です。
今回登場いただいた編著者の澤田さん、岩野さん、酒井さんが鼎談冒頭パートで本書の狙いをお話されています。お三方の発言をそれぞれ抜粋してご紹介します。
岩野「シンポジウム(「共同体と贈与 ジョジュ・バタイユの思想から」)で我々が目指したのは、専門家だけではなく、バタイユについてクリエイティブな発言をしている人も含めて議論することができれば、新しい可能性への問いが開けていくのではないかということです。」
澤田「必ずしもバタイユを専門とはしてはいませんが、山田広昭さんは、(中略)改めてモースの問題と絡めて話をしてくださった(「全般経済学と純粋アナーキー原理」)。栗原康さんは、(中略)見事に自分の問題とバタイユを結びつけて論を立ててくれた(「そうさ、いまこそアドヴェンチャー バタイユのアナキズム思想」)。そうした専門からはちょっと離れた論考に対して、若手の研究者たちが、きちんと応答してくれました。」
酒井「全体の構成については、共同性という面で横に広がっていて、とてもいいと思いました。(中略)専門の研究者だけに閉じられた学術的な共同体では決してない。各研究者が自らの研究を通して何をどこまで言えるのか。(中略)あるいは専門としていない方が、バタイユをどう読んでいくのか。これからバタイユを読んでいく時の入り方として、いろいろな角度があることを提示してくれている。」
以降は本書の内容に沿ってお三方がバタイユの思想を掘り下げていきます。後半には「バタイユの言っていることって、現代でどこまで通じるのか?」といった今の学生の問いに対する議論も展開されます。非常に読み応えのある鼎談になっていますので、ぜひじっくりお読みください。
[2023年5月19日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3489-2023_05_19_pdf
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【「読書人隣り」イベント情報】
イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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☆今週土曜日開催!
■村上春樹『街とその不確かな壁』を読む会
講師:高澤秀次(文芸評論家)
日時:5月20日(土)14時~17時
村上春樹、6年ぶりの新刊長編小説『街とその不確かな壁』を、その元となった中編小説(「街と、その不確かな壁」1980年発表)と比較検討しつつ、精緻に読み込んでいきます。高澤秀次氏の講義(70分予定)を踏まえて、質疑応答、参加者を交えた議論(110分予定)。
◆中編「街と、その不確かな壁」は、参考資料として当日貸与(会場参加者のみ)
◆読書会終了後には懇親会も実施予定
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event-harukidokusho20230520
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event-harukidokusho20230520_online
※配信は読書会ライブ配信後~から約一ヶ月間アーカイブ視聴可能
■谷口功一×玉袋筋太郎×飯田泰之トークイベント
<日本の夜を取り戻す!~スナックを愛するすべての人たちへ~>
『日本の水商売』刊行を機に
日時:6月2日(金)18時~(1時間30分予定)
【登壇者】
谷口功一(東京都立大学教授・夜のまち研究会代表)
玉袋筋太郎(お笑い芸人・全日本スナック連盟会長)
飯田泰之(明治大学教授・夜のまち研究会メンバー)
2020年以降、日本の飲食店は営業自粛要請を受け苦境に立たされた。特に夜間営業のスナックをはじめとする水商売店は、ひとたび地域で新型コロナのクラスター感染が発生すると過剰なマスコミ報道にさらされて、経営的にも致命的な打撃をおい、そこで勤めている人たちの心を傷つけた。
2021年秋から2022年末にかけて全国のスナックを訪ね、そこで働く人たちの声、新型コロナによる影響、あるいは地域ごとの呑みの文化や特色などを丹念に聞き取りし綴った谷口功一著『日本の水商売』(PHP研究所)が刊行された。
本書刊行に際して、著者で「夜のまち研究会」代表の谷口功一氏と、お笑い芸人で自身も「スナック玉ちゃん」を経営し、「全日本スナック連盟」会長の玉袋筋太郎氏、経済学者で「夜のまち研究会」メンバーの飯田泰之氏のお三方に、コロナ禍での夜の街、そしてコロナを気にせず気兼ねなく飲みに行けるようになったこれからの社会で、スナックはどのようになっていくのかお話いただく。
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602_online
■『アンソロジスト』から生まれた文章講座(全5回)
講 師:太田靖久(作家)、大槻慎二(『アンソロジスト』編集長)
開催日:6月4日、6月18日、7月2日、7月16日、7月30日(隔週日曜)
雑誌『アンソロジスト』の編集長・大槻慎二と、作家・太田靖久が「アンソロジーの編み方」と「小説の書き方」をイチから教えます!
全五回の講座で、短編小説(エッセイも可)を1篇書き上げ、文豪たちの作品と共に〝あなたの小説〟が収録された、世界で1冊のアンソロジーを作りましょう。
◆全5回の講座の終わりに、〝あなたの小説〟が活字化されたリフィル(6600円相当)と、あなたが編んだアンソロジー1冊(3630円)をお持ち帰りいただけます。
【参加申し込みURL】https://jinnet.dokushojin.com/products/writing_seminar2023
■小谷野敦×インベカオリ★トークイベント
<小谷野敦を《解剖》するByインベカオリ★>
『レビュー大全 作家・比較文学者Kが四〇〇〇日にわたって記した壮大なる記録』刊行記念
日時:6月8日(木)19時~(約2時間予定)
【登壇者】
小谷野敦(作家・比較文学者)
インベカオリ★(写真家・ノンフィクションライター)
読みたい作品、観たい映画が必ず見つかる―― 。Amazon レビューに、2012 年から22 年まで、実名で投稿した、11 年4000 日にわたる全記録。総取り上げ作品=約3000 点。すべてを5段階評価。最大級の「ブック・DVDガイド」ともいえる『レビュー大全 作家・比較文学者Kが四〇〇〇日にわたって記した壮大なる記録』(読書人)刊行を記念して、著者の小谷野敦氏と写真家・ノンフィクションライターのインベカヲリ★氏によるトークイベントを開催。
ある時期から、しきりにAmazonレビューに実名で投稿するようになった作家・比較文学者K(小谷野敦)。その讃辞と酷評が、鋭い輝きを見せる。世評高い芥川賞受賞作は、果たして本当に傑作なのか――。サントリー学芸賞受賞作は、評価すべき研究書なのかどうか……。今や文壇・論壇から消えつつある、真っ当な批評の姿を提示した。600ページ超におよぶ膨大なレビューの集積群、小谷野氏の4000日にわたる偉(威?)業について語りつつ、近年のお互いの仕事に関して縦横に語り合う。
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602
【サイン本付来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230608_book
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602_online
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【ご案内】
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