【What's New!】週刊読書人5月26日号

【巻頭特集】
鼎談=長瀬海×山﨑修平×渡辺祐真/スケザネ
<作者の〝生〟を読むということ>
村上春樹『街とその不確かな壁』(新潮社)を読む


■追悼・山根貞男(上野昻志)
(8)

【読物】
◇連載=「余白のある映画」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)
◇連載=戯史 平成紀〈五月〉(安倍夜郎)(7)


【書評】
〈3面〉
デイヴィッド・J・チャーマーズ著『リアリティ+上・下』(飯盛元章)★記事無料公開
▽藤原賢吾著『人民の敵』(長濱一眞)
▽富山豊著『フッサール 志向性の哲学』(秋葉剛史)

〈4面〉
菅利恵編『ドイツ語圏のコスモポリタニズム』(二藤拓人)★記事無料公開
▽山根貞男著『映画を追え』(寺脇 研)
▽橋本倫史著『そして市場は続く』(豊里友行)

〈5面〉
四方田犬彦著『大泉黒石』(岡本勝人)★記事無料公開
島田真琴著『アート・ローの事件簿』(浅間哲平)★記事無料公開
▽藤井貴志著『〈ポストヒューマン〉の文学』(小野俊太郎)

〈6面〉
▽ダヴィッド・ベシス著『こころを旅する数学』(稲岡大志)
▽佐原アカデミア編/小森孝一話『小森孝一が語る 佐原の山車祭りとまちおこしの35年』(西川ハンナ)
ジェーン・スー著『闘いの庭 咲く女』(松岡瑛理)★記事無料公開

※記事の無料公開は5月26日(金)の10時以降から順次行っていきます。★記事無料公開

巻頭特集は

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鼎談=長瀬海×山﨑修平×渡辺祐真/スケザネ
<作者の〝生〟を読むということ>
村上春樹『街とその不確かな壁』(新潮社)を読む

【本紙イントロより】
 一九八〇年に文芸誌「文學界」に発表した中編「街と、その不確かな壁」を元に、四〇年の月日を経て書き改められた『街とその不確かな壁』(新潮社)が、村上春樹氏六年半ぶりの長編として刊行された。本作について書評家の長瀬海氏、渡辺祐真/スケザネ氏、詩人・文芸評論家の山﨑修平氏に、縦横無尽に読み解いていただいた。(編集部)
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 村上春樹さんの長編新作が出るたびに弊紙でも特集を組んできました。作家、文芸評論家、翻訳家・・・・・・本読みのスペシャリストにその時々のハルキ文学を解剖してもらっていました。今作『街とその不確かな壁』も発売前から話題となり、早くから企画構想を練っていました。今回の企画の裏テーマは”若い読み手が村上春樹作品を読む”です。最年長の山﨑修平さんが84年、続く長瀬海さんは85年、渡辺祐真/スケザネさんは92年生まれなので、村上春樹作品の代表作はほぼ後追いで読んだことになった世代だと言えます。

 リアルタイムで読んできた方々と比べ、ある種冷めた目で村上春樹の新作にあたる。そのようなことを感じさせる、鼎談冒頭のやりとりです。

 長瀬「村上春樹はある時期から、褒めるか貶すか、白か黒かで語られることが多くなってしまった。みんな愚直に「読む」ことをしなくなった。」
 渡辺「他の本と違い、(中略)最速で読んで最速で批評して一家言出してやるぜ、というようなものが少なからず見られました。村上春樹は現象として人々を駆り立てるんです」
 山﨑「実を言うと、最初は厳しい目で読み始めました。」

 山崎さんはこの発言のあとに「ところが読み進めていくうちに、評価が変わりました。」と今作に対する眼差しが変わり、ここから『街とその不確かな壁』の深掘りが進みます。鼎談第一パートのキーワードは「リプロダクション/時間の流れ」です。このあたりはすでに読了した方ならピンと来るかもしれません。

 今号発売に際して、編集担当の角南が声の書評チャンネル・神網<ジンネット>読書人で読みどころ解説をしました。話の尽きない鼎談からどこを切り出し、紙面に収録したのか。そういったことにも思いを馳せながら、お聞きください。

【解説】村上春樹『街とその不確かな壁』(新潮社)を読む
https://r.voicy.jp/Gw9r55Q1mj3

[2023年5月26日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3490-2023_05_26_pdf


★5月20日開催、村上春樹『街とその不確かな壁』を読む会(講師:高澤秀次)のアーカイブ配信チケットも好評発売中!
https://jinnet.dokushojin.com/products/event-harukidokusho20230520_online

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★来週金曜日開催!

■谷口功一×玉袋筋太郎×飯田泰之トークイベント
<日本の夜を取り戻す!~スナックを愛するすべての人たちへ~>
『日本の水商売』刊行を機に

日時:6月2日(金)18時~(1時間30分予定)

【登壇者】
谷口功一(東京都立大学教授・夜のまち研究会代表)
玉袋筋太郎(お笑い芸人・全日本スナック連盟会長)
飯田泰之(明治大学教授・夜のまち研究会メンバー)

 2020年以降、日本の飲食店は営業自粛要請を受け苦境に立たされた。特に夜間営業のスナックをはじめとする水商売店は、ひとたび地域で新型コロナのクラスター感染が発生すると過剰なマスコミ報道にさらされて、経営的にも致命的な打撃をおい、そこで勤めている人たちの心を傷つけた。
 2021年秋から2022年末にかけて全国のスナックを訪ね、そこで働く人たちの声、新型コロナによる影響、あるいは地域ごとの呑みの文化や特色などを丹念に聞き取りし綴った谷口功一著『日本の水商売』(PHP研究所)が刊行された。
 本書刊行に際して、著者で「夜のまち研究会」代表の谷口功一氏と、お笑い芸人で自身も「スナック玉ちゃん」を経営し、「全日本スナック連盟」会長の玉袋筋太郎氏、経済学者で「夜のまち研究会」メンバーの飯田泰之氏のお三方に、コロナ禍での夜の街、そしてコロナを気にせず気兼ねなく飲みに行けるようになったこれからの社会で、スナックはどのようになっていくのかお話いただく。


【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602_online

 

■『アンソロジスト』から生まれた文章講座(全5回)

講 師:太田靖久(作家)、大槻慎二(『アンソロジスト』編集長)
開催日:6月4日、6月18日、7月2日、7月16日、7月30日(隔週日曜)

雑誌『アンソロジスト』の編集長・大槻慎二と、作家・太田靖久が「アンソロジーの編み方」と「小説の書き方」をイチから教えます!
全五回の講座で、短編小説(エッセイも可)を1篇書き上げ、文豪たちの作品と共に〝あなたの小説〟が収録された、世界で1冊のアンソロジーを作りましょう。

◆全5回の講座の終わりに、〝あなたの小説〟が活字化されたリフィル(6600円相当)と、あなたが編んだアンソロジー1冊(3630円)をお持ち帰りいただけます。

【参加申し込みURL】https://jinnet.dokushojin.com/products/writing_seminar2023

 

小谷野敦×インベカオリ★トークイベント
<小谷野敦を《解剖》するByインベカオリ★>

『レビュー大全 作家・比較文学者Kが四〇〇〇日にわたって記した壮大なる記録』刊行記念

日時:6月8日(木)19時~(約2時間予定)

【登壇者】
小谷野敦(作家・比較文学者)
インベカオリ★(写真家・ノンフィクションライター)

 読みたい作品、観たい映画が必ず見つかる―― 。Amazon レビューに、2012 年から22 年まで、実名で投稿した、11 年4000 日にわたる全記録。総取り上げ作品=約3000 点。すべてを5段階評価。最大級の「ブック・DVDガイド」ともいえる『レビュー大全 作家・比較文学者Kが四〇〇〇日にわたって記した壮大なる記録』(読書人)刊行を記念して、著者の小谷野敦氏と写真家・ノンフィクションライターのインベカヲリ★氏によるトークイベントを開催。
 ある時期から、しきりにAmazonレビューに実名で投稿するようになった作家・比較文学者K(小谷野敦)。その讃辞と酷評が、鋭い輝きを見せる。世評高い芥川賞受賞作は、果たして本当に傑作なのか――。サントリー学芸賞受賞作は、評価すべき研究書なのかどうか……。今や文壇・論壇から消えつつある、真っ当な批評の姿を提示した。600ページ超におよぶ膨大なレビューの集積群、小谷野氏の4000日にわたる偉(威?)業について語りつつ、近年のお互いの仕事に関して縦横に語り合う。


【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602
【サイン本付来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230608_book
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230602_online

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【ご案内】
定期購読のお申し込みはPDF配信版《通年》がオススメ!
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