【What's New!】週刊読書人8月25日号

【特集】
寄稿・田野大輔
<「相対主義」の嵐に抗して>
『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波書店)刊行後の応答から

■追悼=森村誠一
角川春樹インタビュー
(8)

【読物】
▽著者インタビュー=川野芽生著『奇病庭園』(6)
▽王寺賢太への再々応答「完璧を目指す思想家と矛盾を自覚する思想家」(仲正昌樹)(3)
▽著者から読者へ=古閑章著『古閑章著作集 全十一巻』(7)
◇連載=「芸術性と科学性の結びつき」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉荻原浩著『海の見える理髪店』(逸見万葉)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)

【書評】
〈2面〉
▽小泉義之著『弔い・生殖・病いの哲学』(渡名喜庸哲)
▽沼田和也著『弱音をはく練習』(中森弘樹)
▽木村勲著『鷗外を考える』(櫻井信栄)

〈3面〉
大澤真幸著『資本主義の〈その先〉へ』(大黒弘慈)★記事無料公開
▽西孝著『いまを考えるための経済学史』(塚本恭章)

〈4面〉
庄司貴俊著『原発災害と生活再建の社会学』(辛 承理)★記事無料公開
▽ジョージ・マレー・レビック著『南極のアデリーペンギン』(綿貫 豊)
▽渡辺祐介著『若者と軍隊生活』(那波泰輔)

〈5面〉
▽高原英理著『祝福』(高原 到)
▽平山周吉著『小津安二郎』(高崎俊夫)
成相肇著『芸術のわるさ』(松井 茂)★記事無料公開

〈6面〉
平山亜佐子著『化け込み婦人記者奮闘記』(西口 想)★記事無料公開
▽池田稔著/ナカガワヒロユキ聞き手・構成『ゲーセン戦記』(石附鈴之介)

※記事の無料公開は8月18日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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寄稿・田野大輔
<「相対主義」の嵐に抗して>
『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波書店)刊行後の応答から

【本紙イントロより】

 小野寺拓也・田野大輔著『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波ブックレットNo.1080・岩波書店)が、七月五日に発売以来、全国各地の書店でべストセラーとなっている。また、SNS上では多数の人たちから様々な意見が寄せられ、活発な議論が交わされており、著者のひとり田野大輔氏は、そのひとつひとつに応答を試みている。一体なぜ、本書に注目が集まっているのか。刊行後一ヶ月を経て、見えてきた問題は何か――。田野氏に原稿をお寄せいただいた。(編集部)
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 「刊行後、筆者(田野)はSNS(ツイッター)上で積極的な応答を開始した。本書に関する一般の発言を検索してリツイートし、必要に応じてリプライを送るわけだが、(後略)」。

 本が売れないと各所から嘆きの声が聞こえてくるなかで、本寄稿の田野大輔さんの発言は、販売のヒントを自著のしかも学術書の大ヒットという実証をもとに提示してくれたので、大いに励みになるのではないでしょうか。田野さんの場合「調査」目的だったと述べているので、ある意味一石二鳥だったのでしょうが、一方で時間や労力が取られたことも振り返っていますので、田野さんの手法を販売戦略に組み込む際はくれぐれもご注意を。

 では、田野さんの「調査」対象となったSNS上の人たちはどのような認識に基づいているのでしょうか。田野さんは次のように分析します。

 「ナチスを「絶対悪」とする「ポリコレ」的な価値観への反発であって、これに対するカウンターバランスをとろうとして、「逆張り」の言動に走っている面が大きい。」

 第三者的視点からすると、専門家とSNS上で気軽に言葉が交わせて、なおかつ専門的見解を教示してもらえる。なんとも羨ましいことですが、意見を言う側が乏しい根拠の自説を開陳して、その問題点を指摘されたらより一層反発する。こういった図式の方が目につくのが現実です。

 本論は歴史学の議論ですが、他方でSNSの課題にも気付かされる非常に学びの多い論説です。ぜひご一読ください。

[2023年8月18日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3503-2023_08_25_pdf

★声の書評チャンネル・神網<ジンネット>読書人で田野大輔さんの寄稿文の一部朗読と『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』の読みどころを紹介しています。ぜひお聞きください!

【記事朗読】寄稿・田野大輔<「相対主義」の嵐に抗して>
https://r.voicy.jp/pvmbojxR9eA ※8月25日(金)7時30分~配信開始

【読みどころ紹介】『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』
https://r.voicy.jp/ybKy7g4x9R7

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【オンライン配信イベントご案内】

■伊藤野枝・大杉栄没後100年記念シンポジウム

2023年9月24日(日) 13時~オンライン配信開始
★ライブ配信後~10月8日(日)迄アーカイブ視聴可能

<イベント概要>
日    時:2023年9月24日(日)13:00開始~17:30終了予定
講    演:森まゆみ(作家)「『青鞜』時代の伊藤野枝」13:10~14:10 
       鎌田慧( ルポライター)「大杉栄 自由への疾走」14:10~15:10
コ  メ  ン  ト :加藤陽子(東京大学教授)15:30~15:50
       岡野幸江(人間総合科学大学講師)15:50~16:10
       梅森直之(早稲田大学教授)16:10~16:30
フリートーク:登壇者全員 16:40 ~ 17:20
司    会:田中ひかる(明治大学教授)

参加費:1800円

*当日のスケジュールは変更の可能性があります。詳細情報はTwitter、Facebook、ブログでチェックしてください。 

【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/20230924_noe_sakae_online

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★9月9日開催!

■「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者のための入門講座(第7回)
テーマ:『騎士団長殺し』

講 師:仲正昌樹
日 時:9月9日(土)18時~

日本を代表する世界文学作家の意外にも、語られることが少なかった現代思想や哲学の視点とは?
逆に、思想・哲学にも世界的に影響を与えている、その世界観とは?
ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230909
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230909_online

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【ご案内】
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