【What's New!】週刊読書人7月14日号
【特集】
【特集】
対談=伊藤龍平×及川祥平
<「怖い話」の語られ方、捉え方>
伊藤龍平著『怪談の仕掛け』/及川祥平著『心霊スポット考』刊行を機に道
【読物】
▽仲正昌樹氏の書評に応答する(王寺賢太)(3)
▽市川沙央著『ハンチバック』を読む(山﨑修平)(3)
▽映画時評〈7月〉(伊藤洋司)(8)
◇連載=「映画作家の誠実さ」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉池井戸潤著『アキラとあきら』(仲田 楓)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)
【書評】
〈4面〉
▽マイケル・ホダルコフスキー著『ロシアの二〇世紀』(渋谷謙次郎)
▽田島奈都子著『戦前期日本のポスター』(阪本博志)
▽ギヨーム・ルブラン著『生命と規範の哲学』(近藤和敬)★記事無料公開
〈5面〉
▽平野卿子著『女ことばってなんなのかしら?』(斎藤佑史)★記事無料公開
▽高殿円著『忘らるる物語』(九螺ささら)
▽浅井佑太著『シェーンベルク』(小宮正安)
〈6面〉
▽西村高宏著『震災に臨む』(山﨑真帆)
▽山崎明子著『「ものづくり」のジェンダー格差』(太田明日香)
▽正木香子著『タイポグラフィ・ブギー・バック』(森 貴志)★記事無料公開
〈7面〉
▽上野成利・高幣秀知・細見和之編『『啓蒙の弁証法』を読む』(早尾貴紀) ★記事無料公開
▽亀山陽司著『ロシアの眼から見た日本』(矢口啓朗)
▽叢の会編『江戸の絵本読解マニュアル』(石井正己)★記事無料公開
※記事の無料公開は7月14日(金)の10時以降から順次行っていきます。
巻頭特集は
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ロング書評・吉増剛造
<三島由紀夫襲書き>
平野啓一郎著『三島由紀夫論』(新潮社)そのほか葛折の杜の道
【本紙イントロより】
國學院大學文学部教授の伊藤龍平さんが『怪談の仕掛け』(青弓社)を、成城大学文芸学部准教授の及川祥平さんが『心霊スポット考 現代における怪異譚の実態』(アーツアンドクラフツ)を、それぞれ上梓した。人はなぜ、〝怖い話〞に惹かれるのか? 両書の刊行を機に、伊藤さんと及川さんに対談をお願いした。(編集部)
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連日猛暑日が続きますので、心霊、怪談対談で涼むのはいかがでしょうか。といっても読書人ですのであくまで学術的な分析です。ただ、今回の対談をお読みいただくと、心霊スポット、怖い話といったものの認識がひっくり返ります。
まず心霊スポットとは何か。心霊スポットというとおそらく多くの人の頭に浮かぶのは、峠のトンネル、廃病院、霊園……などで住んでいる地域によってもいろいろバリエーションがあると思います。弊社のある東京・神保町の最寄りの心霊スポットは大手町にある平将門の首塚で、『心霊スポット考』でも取り上げられています。ところが著者の及川祥平さんは「将門塚は心霊スポットではないように思われる」と著述しており、伊藤龍平さんもその意見に同意しつつ、「特定の人物や場所、空間が顕彰されつつも、怖い存在として語られる」ことについて掘り下げて問いかけます。
それに対して及川さんは次のように語ります。
「悲惨な末路を辿った偉人の墓があるとして、末裔や地域の人びと、歴史ファンにとっては、そこは聖地や大切に守るべき場所です。しかし、そのような文脈を共有しない想起もあり得る。死の悲惨さに比重をおいた想起です。恐ろしいエピソード(中略)に注目した文脈で語られると、たとえ偉人を祀っている場所であっても、心霊スポットとして消費されてしまう可能性は十分にあります。」
あるいは、巷で囁かれる"心霊スポット”についても次のような分析をしています。
「かつて一家惨殺事件が起き、それ以降、幽霊が目撃されるようになった。このように囁かれている心霊スポットは、各地に存在しています。まったく違う土地にも関わらず、似たような「過去」が語られる空間がいくつもあるんですね。(中略)私が調べた限り、心霊スポットをめぐって語られる「過去」の多くは、事実とみなす根拠に乏しいものでした。」
本稿で紹介したのは、対談の冒頭パートのみです。ここからさらに二人の分析が加速し、対談を詠み終わる頃には冒頭にも述べたように心霊スポット、怪談に対する見方が一変します。ぜひご一みください。
[2023年7月14日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3497-2023_07_14_pdf
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【「読書人隣り」イベント情報】
イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★7月28日開催!
■田中秀臣×栗原裕一郎トークイベント
<不寛容な時代に抗う言論は~肥大化するキャンセルカルチャー問題を考える>
日時:7月28日(木)19時~(約1時間半予定)
加速するSNS時代に起きたこの潮流に抗うためには、どのような態度、言論でのぞむべきなのか。たびたび、この問題についてメディアなどで言及をしている、経済学者の田中秀臣氏と文芸評論家の栗原裕一郎氏に対談いただき、いま目の前で起きているキャンセルカルチャーの問題をめぐって、この機会に徹底的に議論してもらう。
【登壇者】
田中秀臣(経済学者)
栗原裕一郎(文芸評論家)
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230728
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20230728_online
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★今週土曜日開催!
■「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者のための入門講座(第6回)
テーマ:『IQ84』後半
講 師:仲正昌樹
日 時:7月15日(土)18時~
日本を代表する世界文学作家の意外にも、語られることが少なかった現代思想や哲学の視点とは?
逆に、思想・哲学にも世界的に影響を与えている、その世界観とは?
ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。
【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230715
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20230715_online
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【ご案内】
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