【What's New!】週刊読書人10月20日号

【特集】

対談=栩木伸明×能地祐子
<文学として読むポール・サイモンの詞>
『ポール・サイモン全詞集』『ポール・サイモン全詞集を読む』(国書刊行会)罪である

井上真偽インタビュー
『ぎんなみ商店街の事件簿 上・下』刊行を機に(8)

【今週の読物】
◇連載=「「六つの教訓話」の時代のロメール」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉吉村昭著『白い航跡 上・下』(山形悠)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=戯史 平成紀〈十月〉(安倍夜郎)(7)


【今週の書評】
〈3面〉
▽吉良智子著『女性画家たちと戦争』(小勝禮子)
▽磯前順一著『石母田正』(小倉慈司)
小宮正安著『エリザベートと黄昏のハプスブルク帝国』(上村敏郎)★記事無料公開

〈4面〉
▽栖来ひかり著『日台万華鏡』/『台湾りずむ』(真木由紹)
▽クリステン・ノードストロム文/ポール・ボストン絵『すごい! ミミックメーカー』(橘 悟)
ジャック・ランシエール著『文学の政治』(小林成彬)★記事無料公開

〈5面〉
▽高原到著『戦争論』(川口好美)
▽川崎祐著『未成の周辺』(タカザワケンジ)
アーサー・ケストラー著『日蝕』(小野俊太郎)★記事無料公開

〈6面〉
ブレイク・スコット・ボール著『スヌーピーがいたアメリカ』(青木耕平)★記事無料公開
▽古谷嘉章・石原道知・堀江武史著『縄文の断片から見えてくる』(中村 大)
▽尾形誠規著『完全版 袴田事件を裁いた男』(吉井千周)

※記事の無料公開は10月20日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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対談=栩木伸明×能地祐子
<文学として読むポール・サイモンの詞>
『ポール・サイモン全詞集』『ポール・サイモン全詞集を読む』(国書刊行会)罪である

【本紙イントロより】
 アイルランド文学・文化研究者の栩木伸明氏が、ソングライター、ポール・サイモンの五〇年の全仕事を集成した『ポール・サイモン全詞集』を邦訳し、その解説書『ポール・サイモン全詞集を読む』も併せて刊行した(『ポール・サイモン全詞集』に最新アルバム『七つの詩篇』収録作を加えた全二一〇曲を解説)。刊行を機に、ポール・サイモンを愛する音楽評論家の能地祐子氏との対談をお願いした。(編集部)

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 きっと、この対談を読み始めるにあたって、ポール・サイモンあるいはサイモン&ガーファンクルの脳内BGM流れるのではないでしょうか。熱心なファンの方ならもちろん自分のイチオシが、そこまでではない人でも、たとえば「明日に架ける橋」「コンドルは飛んでいく」「ミセス・ロビンソン」「サウンド・オブ・サイレンス」あたりかと推察します。

 さて、今回の対談は相当マニアックです。音楽自体は広く認知されているものの、ポール・サイモンの来歴をここまで掘り下げて知る機会は一般的にはほぼないと思います。大学で何を学んでいたか、影響を与えた作家・作品、アート・ガーファンクルとの関係性……。ここまで広がるのはやはり熱心のファンであるこの二人ならではだからでしょう。

 ポール・サイモンの音楽性に対するバックボーンをお話されていますので、その箇所を引用します。

 栩木「ポール・サイモンにとって、いつも街角で聞こえていたドゥーワップが一番自分の音楽だったというのは象徴的です。ユダヤ人である彼が黒人の音楽に深く共鳴している。文化や人種の壁をやすやすと越える自然体の柔軟さがサイモンの都会性だと思う。」

 能地「運が良かったのは、ロックンロールの誕生に居合わせていることですよね。多感な子どもの時期に、育った街の道端で、ドゥーワップ・グループが歌っていたと言うんですから。ロックンロールが生まれ、音楽がどのように成熟していくのか。そうした音楽の歴史を体現するさだめのもとに生まれた人ではないか、などと思ったりもするんです。」

 また、対談の後半でライナーノーツに言及されています。サブスク全盛の現在ではあまり見かけなくなりましたが、CDを買っていた時期はライナーノーツを読むのが一洋楽ファンとしての楽しみの一つでした。それがこのように学術的に言及されていることに感慨深さを覚えました。

 今はネットですぐにサイモン&ガーファンクル、ポール・サイモンの楽曲にアクセスできます。片手に音楽を、もう片方に本紙を持ってもらって全身でお二方の対談をお楽しみください。

[2023年10月20日号販売ページ]
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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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『〈公正〉を乗りこなす』刊行記念トークイベント

【出演】
荒木優太・朱喜哲

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『〈公正〉を乗りこなす』をもとに、荒木氏の疑問から議論を深め、「公正」な社会とはどんな社会か、「正義」の実現とはどんな状態かを検討。「私的」サークルの困難とその必要性を歴史に依拠して論じた荒木氏の近著『サークル有害論』にも触れながら、「私的」な集団の可能性や「私的」と「公的」の線引はどのようになされるべきか、なども考えます。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231102
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231102_online

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