【What's New!】週刊読書人10月6日号

【特集】
対談=山形浩生×片岡剛士
<『21世紀の資本』の正統進化の書>
トマ・ピケティ 『資本とイデオロギー』(みすず書房)刊行を機に

【今週の読物】
▽渡辺哲夫著『〈精神病〉の発明』を読む(立木康介)(7)
論潮〈10月〉(森脇透青)(3)★記事無料公開
文芸〈10月〉(山﨑修平)(5)★記事無料公開
◇連載=「ロメールの脚本術」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉市川沙央著『ハンチバック』(河辺宏太)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)
◇連載=American Picture Book Review(堂本かおる)(8)


【今週の書評】
〈3面〉
▽山内廣隆著『愈つまらぬ様なり』(浅見 洋)
▽福田アジオ著『種明かししない柳田国男』(渡 勇輝)

〈4面〉
クリストファー・ブラットマン著『戦争と交渉の経済学』(柿埜真吾)★記事無料公開
▽松村寛之著『「日本的なるもの」の思想史』(黒田俊太郎)
▽竹内亮著/黄立俊編『竹内亮:レンズを通して見た本当の中国』(港 千尋)

〈5面〉
ジョーゼフ・キャンベル著『聖杯の神話』(下楠昌哉)★記事無料公開
▽岡本勝人著『海への巡礼』(古閑 章)

〈6面〉
▽朱喜哲著『〈公正〉を乗りこなす』(岩内章太郎)
小川公代著『世界文学をケアで読み解く』(堀川 夢)★記事無料公開
▽秋田高校同窓会新先蹤録委員会編『新先蹤録』(横須賀薫)

※記事の無料公開は10月6日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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対談=山形浩生×片岡剛士
<『21世紀の資本』の正統進化の書>
トマ・ピケティ 『資本とイデオロギー』(みすず書房)刊行を機に

【本紙イントロより】
 経済学者トマ・ピケティのベストセラー『21世紀の資本』を発展継承する大著、『資本とイデオロギー』の邦訳が8月にみすず書房から刊行された。本書訳者のひとりで、翻訳家・評論家の山形浩生氏とエコノミスト・前日銀審議委員の片岡剛士氏に長大な本書を解説してもらった。(編集部)

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 『資本とイデオロギー』の実物をすでに書店の新刊台などでご覧になった方は結構多いのではないでしょうか。ベストセラー『21世紀の資本』以来、ピケティの名を冠する書籍は多数刊行されてきましたが、正真正銘本書が後継の一冊で、発売前から大々的に告知がなされるなど注目を集めてきました。

 前著でピケティは19世紀から21世紀にかけての格差の拡大→縮小→拡大の流れを「r>g」の恒等式で説明しました。では本書はどういった内容か。山形浩生さんが次のように解説します。

 「過去の歴史の中でどのように格差が生まれ、それが拡大・縮小過程を経て、再び拡大していった道のりを膨大なデータを元に検証して、その上で格差縮小を実現するために政治が果たす役割みたいなものを見よう、という試みをしています。」

 その政治が果たす役割で重要な要素がタイトルにもあるイデオロギーです。上記の山形さんの解説に片岡剛士さんが補足を加えます。

 「封建社会、所有権社会、植民地社会とヨーロッパを中心にした世界観のみならず、インドや中国などの歴史まで射程に入れて検証を重ね、(中略)それらの歴史は資本とイデオロギーの関係で動かされていたのだ、と議論の道筋をつけ、それと格差を結びつけました。」

 本対談では、この大著に対して一方的に褒めそやすわけではなく、ピケティの議論の要所要所に疑義を交えながら進めていくため、『資本とイデオロギー』をトレースしつつ、経済学者ピケティの抱える問題点や課題も同時に浮き彫りになります。また、最終パートでは、ピケティの議論を踏襲しながら現在の日本経済を読み解く試みも行っています。本書を読み進める上で、どのようなことに注意し、あるいはどのように想像力を広げて読めばいいか、山形さんが作成した読書ガイドと合わせて本対談をお読みいただくと、さらに踏み込んだ理解が可能になると思いますので、ぜひご一読ください。

【資本とイデオロギー読書ガイド】
https://cruel.hatenablog.com/entry/2023/09/18/043105

[2023年10月6日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3509-2023_10_06_pdf

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★サイン会もあり!

 

■「戯曲絵本って何? 本/芝居/イラストをめぐるカラクリトーク」
『戯曲絵本 カラクリ匣』(小鳥遊書房)刊行記念トークショー

【登壇者】
林田こずえ(作家)
YOUCHAN(イラストレーター)
司会:高梨治(小鳥遊書房編集者)

日 時:10月17日(火)19時~(約1時間半予定)

このトークショーでは、
書籍化されたお芝居を「文字」で書いた林田こずえさんと、
その「文字」を「イラスト」でビジュアル化したYOUCHANさんをお招きして、
戯曲絵本とは何か、そして、
本/芝居/イラストをめぐって、それぞれの媒体の可能性などをそれぞれの立場から思う存分に語ってもらいたいと思います。
そして、当日は、朗読劇の実演もあるかもしれません?!

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231017
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231017_online

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★村上春樹読解講座の最終回!

 

「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者のための入門講座(最終回)
テーマ:『街とその不確かな壁』

【講師】
仲正昌樹

日 時:10月21日(土)18時~

日本を代表する世界文学作家の意外にも、語られることが少なかった現代思想や哲学の視点とは?
逆に、思想・哲学にも世界的に影響を与えている、その世界観とは?
ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231021
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231021_online

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★11月開催!

 

「〈公正〉な社会と〈私的〉なサークル〜インターネット時代に「公/私」の線引はいかに可能なのか」

『〈公正〉を乗りこなす』刊行記念トークイベント

【出演】
荒木優太・朱喜哲

日 時:11月2日(木)19時~

『〈公正〉を乗りこなす』をもとに、荒木氏の疑問から議論を深め、「公正」な社会とはどんな社会か、「正義」の実現とはどんな状態かを検討。「私的」サークルの困難とその必要性を歴史に依拠して論じた荒木氏の近著『サークル有害論』にも触れながら、「私的」な集団の可能性や「私的」と「公的」の線引はどのようになされるべきか、なども考えます。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231102
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231102_online

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