【What's New!】週刊読書人10月13日号

【特集】
小出裕章氏に聞く(聞き手=佐藤嘉幸)
<〈汚染水〉問題について考える>
管理できている放射能汚染水を意図的に海に流すことは犯罪である

【今週の読物】
▽追悼=伊東俊太郎(村上陽一郎)(7)
▽映画時評〈10月〉(伊藤洋司)(8)
▽著者から読者へ=『戦いと平和のうずまき』(中川素子)(8)
◇連載=「役者たちの生み出す映画」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉小砂川チト著『家庭用安心坑夫』(渡辺楓)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)


【今週の書評】
〈3面〉
▽塚本恭章著『経済学の冒険』(若森章孝)
▽古波藏契著『ポスト島ぐるみの沖縄戦後史』(田仲康博)
岸見太一・髙谷幸・稲葉奈々子著『入管を問う』(安藤由香里)★記事無料公開

〈4面〉
平井和子著『占領下の女性たち』(嶽本新奈)★記事無料公開
▽重見泰著『大極殿の誕生』(古内絵里子)
▽杉山三郎著『メキシコ古代都市の謎 テオティワカンを掘る』(福原弘識)

〈5面〉
ジョゼ・サラマーゴ著『見ること』(柿内正午)★記事無料公開
▽前田英樹著『保田與重郎の文学』(五味渕典嗣)
▽ヤン・ヨンヒ著『カメラを止めて書きます』(井上理津子)

〈6面〉
高野秀行著『イラク水滸伝』(中澤雄大)★記事無料公開
▽鵜飼秀徳著『絶滅する「墓」』(問芝志保)
▽ジェシカ・ワイン著『数学者たちの黒板』(緑 慎也)

〈7面〉
▽岡村俊明著『中野好夫論』(吉田 裕)

※記事の無料公開は10月13日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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小出裕章氏に聞く(聞き手=佐藤嘉幸)
<〈汚染水〉問題について考える>
管理できている放射能汚染水を意図的に海に流すことは犯罪である

【本紙イントロより】
 東京電力福島第一原発事故で生じた汚染水を〈浄化〉したとされる水の海洋放出が八月から始まった(第一回は九月一一日まで)。その第二回目が一〇月五日から実施されている。果たして、〈汚染水〉放出には本当に問題はないのか。また、危険性は一切ないのか。元京都大学原子炉実験所助教で原子力廃絶の研究をつづけている小出裕章氏にお話をうかがった。聞き手は筑波大学准教授の佐藤嘉幸氏にお願いした。(編集部)

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 SNS上でも様々な意見が飛び交う「ALPS処理水」海洋放出の問題に対して、専門家である小出裕章さんはどのように考えているか。佐藤嘉幸さんとの対話から導き出された小出さんの一貫した主張、今の率直な思いが語られます。

 まずは海洋放出の批判と解決に向けた自身の基本的な立場を次のように発言します。

 「人間には放射能を消す力がありません。自然にもありません。自分に力がないからと言って、放射能の始末を自然にゆだねることははじめから間違えています。放射性物質はそれぞれ固有の寿命を持っており、時間がたてば減っていきます。そのため、できる限り閉じ込めるというのが人間にできる最善の策です。」

 小出さんが事故後から一貫して「地下に遮水壁を作り、地下水の流入を止めなければならない」と主張されてきたことをご存知の方は多いと思います。その案が費用面を理由に実現に至らず、場当たり的な対応を続ける東電・政府への批判の声を強めます。

 加えて、メディアの報道姿勢への批判、IAEAへの批判が展開されます。この問題が決して単一のものではなく、様々な要素が絡まった複合的なものであることが小出さんの発言から見えてきますし、佐藤さんによる巧みな話の組み立てにより、議論の内容が非常に整理されたものになっています。ぜひご一読ください。

[2023年10月13日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3510-2023_10_13_pdf

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★来週開催!

 

■「戯曲絵本って何? 本/芝居/イラストをめぐるカラクリトーク」
『戯曲絵本 カラクリ匣』(小鳥遊書房)刊行記念トークショー

【登壇者】
林田こずえ(作家)
YOUCHAN(イラストレーター)
司会:高梨治(小鳥遊書房編集者)

日 時:10月17日(火)19時~(約1時間半予定)

このトークショーでは、
書籍化されたお芝居を「文字」で書いた林田こずえさんと、
その「文字」を「イラスト」でビジュアル化したYOUCHANさんをお招きして、
戯曲絵本とは何か、そして、
本/芝居/イラストをめぐって、それぞれの媒体の可能性などをそれぞれの立場から思う存分に語ってもらいたいと思います。
そして、当日は、朗読劇の実演もあるかもしれません?!

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231017
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231017_online

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★村上春樹読解講座の最終回!

 

「本気で、村上春樹を読んでみたい」精読者のための入門講座(最終回)
テーマ:『街とその不確かな壁』

【講師】
仲正昌樹

日 時:10月21日(土)18時~

日本を代表する世界文学作家の意外にも、語られることが少なかった現代思想や哲学の視点とは?
逆に、思想・哲学にも世界的に影響を与えている、その世界観とは?
ハルキ・ワールドの真の凄さを一緒に熟読吟味する徹底読解講座。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231021
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/seminar20231021_online

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★11月開催!

 

「〈公正〉な社会と〈私的〉なサークル〜インターネット時代に「公/私」の線引はいかに可能なのか」

『〈公正〉を乗りこなす』刊行記念トークイベント

【出演】
荒木優太・朱喜哲

日 時:11月2日(木)19時~

『〈公正〉を乗りこなす』をもとに、荒木氏の疑問から議論を深め、「公正」な社会とはどんな社会か、「正義」の実現とはどんな状態かを検討。「私的」サークルの困難とその必要性を歴史に依拠して論じた荒木氏の近著『サークル有害論』にも触れながら、「私的」な集団の可能性や「私的」と「公的」の線引はどのようになされるべきか、なども考えます。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231102
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231102_online

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