【What's New!】週刊読書人9月22日号

【特集】
岡嶋裕史インタビュー
<AIを通して見える「人間」の姿>
『ChatGPTの全貌』(光文社)刊行を機に

【今週の読物】
▽追悼=亀井俊介(巽 孝之)(8)
◇連載=「「生」を記録する映画・小説」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
連載=〈書評キャンパス〉斎藤真理子著『韓国文学の中心にあるもの』(米倉伸哉)(5)★記事無料公開
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)

【今週の書評】
〈3面〉
今福龍太著『言葉以前の哲学』(河西秀哉)★記事無料公開
▽野本三吉著『水滴の自叙伝』(下嶋哲朗)
▽アンドリュー・デスラー著『現代気候変動入門』(松下和夫)

〈4面〉
▽モンス・ムーセソン著『ティム アヴィーチー・オフィシャルバイオグラフィ』(両角達平)
▽土田宏成・吉田律人・西村健編著『関東大水害』(谷口 榮)
ブライアン・クレッグ著『私たちの生活をガラッと変えた物理学の10の日』(黒ラブ教授)★記事無料公開

〈5面〉
▽神山孝夫著『市河三喜伝』(江利川春雄)
▽ウルワシ・ブタリア編『そして私たちの物語は世界の物語の一部となる』(山本 伸)
西村雄一郎著『北の前奏曲』(竹内 直)★記事無料公開

〈6面〉
大森淳郎・NHK放送文化研究所著『ラジオと戦争』(松岡昌和)★記事無料公開
▽性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ著『無限発話』(横山百合子)
▽周司あきら・高井ゆと里著『トランスジェンダー入門』(森山至貴)

〈7面〉
クリストファー・オールドストーン=ムーア著『ヒゲの文化史』(十枝内康隆)★記事無料公開
▽小川誉子美著『開国前夜、日欧をつないだのは漢字だった』(郡司祐弥)
▽桑瀬章二郎著『ジャン=ジャック・ルソー』(小林淑憲)

※記事の無料公開は9月22日(金)の10時以降から順次行っていきます。

巻頭特集は

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岡嶋裕史インタビュー
<AIを通して見える「人間」の姿>
『ChatGPTの全貌』(光文社)刊行を機に

【本紙イントロより】

 現在、各種メディアでその名を見かけない日がないほど注目されているChatGPT。「ChatGPTとは何ですか」とGPT-3.5に尋ねたところ、次のような回答が返ってきた。

 「ChatGPTは、OpenAIが開発した自然言語処理のモデルです。これは、大規模なテキストデータセットを使用してトレーニングされ、人間のようにテキストベースの質問に回答することができます。ChatGPTは、カスタマーサポート、情報検索、クリエイティブライティング、教育、娯楽など、さまざまな用途に利用できます。」
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 そんなChatGPTについて解説した岡嶋裕史著『ChatGPTの全貌 何がすごくて、何が危険なのか?』(光文社新書)の刊行を機に、岡嶋さんにお話を伺った。(編集部)
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 おそらく、今回の岡嶋裕史さんのインタビュー、あるいは本書をお読みいただくと、現下のChatGPTをめぐる議論、AIに対する漠然とした不安、そういったものが氷解していくのではないでしょうか。非常に明晰に、かつ論理的に、現状分析を行い、今後の展望、あるいは巷で言われているような「来るべき未来」像が本当にやってくるのかどうかといったことについても、岡嶋さんなりの見解を述べていて、非常に示唆的です。

 まず発言で面白いのが、岡嶋さん自身がどのようにChatGPTを使っているのか、という質問に対しての回答で、

 「話相手として使うことが多いです。キャラクタ表示やリップシンク、音声合成と組み合わせれば、いまいち会話がかみ合わないけど、無聊をなぐさめてくれるぽんこつ秘書くらいにはすぐなると思います。」

 たしかに、現行の無料版ChatGPTでは要領の得ない回答も多く、正誤にも疑問がある。ただ、何気ない会話、やりとりはなんとなく成立するので、まさに「無聊をなぐさめてくれる」は言い得て妙です。

 また、AI関連の議論で巷間言われる2045年のシンギュラリティ到達という話についても、次のようの答えます。

 「そもそも「シンギュラリティ」という定義自体があやふやで、いくらでも変わり得るゴールです。」

 この発言を読むと、あと20年後に何やらすごいことが起こると言われていたのが、果たして本当にそうなのかと立ち止まって考えるきっかけになるのではないでしょうか。一面でまさに革命的な技術が生まれるかもしれないけれども、それによって社会が変わるのかどうか。

 AIの分野は専門外だからといって読まないのはもったいないほどの、興味をそそられる話が目白押しです。冒頭でも岡嶋さんが「初心者に噛み砕いて説明するのが好き」と言っているように、とても読みやすくわかりやすい内容です。ぜひ、ご一読ください!

[2023年9月22日号販売ページ]
https://jinnet.dokushojin.com/products/3507-2023_09_22_pdf

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【今週日曜日開催!】

■伊藤野枝・大杉栄没後100年記念シンポジウム

2023年9月24日(日) 13時~オンライン配信開始
★ライブ配信後~10月8日(日)迄アーカイブ視聴可能

<イベント概要>
日    時:2023年9月24日(日)13:00開始~17:30終了予定
講    演:森まゆみ(作家)「『青鞜』時代の伊藤野枝」13:10~14:10 
       鎌田慧( ルポライター)「大杉栄 自由への疾走」14:10~15:10
コ  メ  ン  ト :加藤陽子(東京大学教授)15:30~15:50
       岡野幸江(人間総合科学大学講師)15:50~16:10
       梅森直之(早稲田大学教授)16:10~16:30
フリートーク:登壇者全員 16:40 ~ 17:20
司    会:田中ひかる(明治大学教授)

参加費:1800円

*当日のスケジュールは変更の可能性があります。詳細情報はTwitter、Facebook、ブログでチェックしてください。 

【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/20230924_noe_sakae_online

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【「読書人隣り」イベント情報】
 イベントスペース「読書人隣り」で近日開催するイベントをご案内します。会場は本の街、東京・神保町です(地下鉄神保町駅徒歩3分、JR御茶ノ水駅徒歩10分)。お仕事終わりや学校帰り、神保町散策のあとなどにぜひ遊びにいらしてください。
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★近日開催!

 

■渡名喜庸哲『現代フランス哲学』を読む
『現代フランス哲学』(ちくま新書)刊行記念

【登壇者】
渡名喜庸哲・西山雄二・伊達聖伸

日 時:10月5日(木)19時~

9月に刊行された、渡名喜庸哲著『現代フランス哲学』の著者に加えて、西山雄二・伊達聖伸氏を迎えて、「現代フランス哲学」について縦横に語り合う。

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231005
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231005_online

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★お申し込み続々!

 

■「戯曲絵本って何? 本/芝居/イラストをめぐるカラクリトーク」
『戯曲絵本 カラクリ匣』(小鳥遊書房)刊行記念トークショー

【登壇者】
林田こずえ(作家)
YOUCHAN(イラストレーター)
司会:高梨治(小鳥遊書房編集者)

日 時:10月17日(火)19時~(約1時間半予定)

このトークショーでは、
書籍化されたお芝居を「文字」で書いた林田こずえさんと、
その「文字」を「イラスト」でビジュアル化したYOUCHANさんをお招きして、
戯曲絵本とは何か、そして、
本/芝居/イラストをめぐって、それぞれの媒体の可能性などをそれぞれの立場から思う存分に語ってもらいたいと思います。
そして、当日は、朗読劇の実演もあるかもしれません?!

【来場チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231017
【配信チケット】https://jinnet.dokushojin.com/products/event20231017_online

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